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2011年2月ソロモン諸島往還記

Copyright (C) Minato NAKAZAWA, 2011. Last Update on 2011年7月11日 (月) at 17:30:01.

【第9日目】 ワークショップ2日目終了後はブリスベンへ直行(2011年2月16日)

4:00過ぎに自然に目が覚めた。学生への返事(選択基礎医学実習の相談で,インフルエンザシミュレーションのためのRコード相談が1件と構造方程式モデリングでsemの係数推定が収束しないのをどうしたらいいのかという相談が1件)を打ち,シャワーを浴びて荷造りをした。今日はワークショップが終わったら飛行場に直行なので,8:00頃にはチェックアウトしなくてはならない。村に行ってからはメモも打てなかったので,メモ打ちもしているが,たぶん終わらないだろう。

思った通り終わらないままに8:10になったのでフロントへ行き,チェックアウトを済ませた。自分一人の3泊の代金が,昨夜のディナーパーティの総費用よりも高かったというのは,何か間違っている気がしなくもない(ホテルの値段付けが)。

ワークショップ2日目も盛況予定通り8:30にRAV4が迎えに来たのは偉かった。ホテルを出る時に若干問題が起こったが,すぐに解決したので,8:50頃に会場に着いた。もうNHTRIの人たちも村人も来ていて,他の参加者も集まり始めていた。9:00に昨日の残りの発表から始めて10:30までにすべての発表を終わらせ(最初にぼくが尿検査からわかった塩分摂取と血圧の関係,それがINTERSALT STUDYの中でどの辺りに位置づけられるのかということと,尿pHからわかることを喋り,次に山内さんが成人のBMI,血圧と年齢の話をした後で,ホニアラ市の保健局長保健省の非感染症(Non Communicable Diseases; NCD)対策部門長の代理の方が成人の健康問題として糖尿病,喫煙などの話をして,残り10分でぼくがエスニックテンションの心理社会的影響の話と,テンション終結後の再近代化の政治との関係と生活への影響の話をサクッとまとめた),総合討論に移ることができた。総合討論では会場からも活発な発言があり(まあ,なんだかんだ言ってもマラリアの話が多かったが),それをまたNHTRIの新ディレクターであるA氏がうまく捌いて話をまとめてくれたので,多くの参加者が満足して終わったように思う(自画自賛!)。

NHTRIはHealth Trainingも大きな存在目的なので,こういうワークショップを続けて行きたいそうだが,プロジェクタがないので,今回予備でもってきた(はずだったのだけれども,実際にはほとんど会場備え付けのものではなく,より明るいこちらを使っていた)プロジェクタを寄付して帰ることにしていた(そうすれば次からも使えるし)。大喜びしてもらえ,贈呈式のような感じで会場も盛り上がった。有終の美を飾ったといえようか。

なお,無事にすべての発表のプレゼンテーションが揃ったので,これを使えば英文報告書はできたも同然だ。結果がまとまったものを発表することによって地元からのフィードバックを受けることができただけでなく,成果として学振に出さなくてはいけない報告書作成が相当楽になったわけで,まさに一石二鳥。苦労した甲斐があった(2月23日追記:しかし実は学振に出す成果報告書はWordで和文で4〜6ページという厳しい制約ができてしまっていることがわかったので,英文で作ってもそのまま出すわけにはいかないのだった。Proceedingsにすれば,成果の1つには数えられるけれども,報告書は別に作らなくてはいけない)。

終了後は多くの参加者とお別れの挨拶を交わしつつ,空港に急いだ。チェックインは無事にできたが,係官が1人ずつしか処理できず,非常に待ち長かった。その後,空港に待たせておいたドライバーとRAV4とともに,ぼくだけがレンタカー屋に向かった。ガソリンをリフィルするのに500 SBD以上かかったが,返却は順調であった。再び空港に来るのはタクシーを使い,マライタ出身の運ちゃんと楽しく喋りながら着いた。80 SBDであった。

ほどなく出国審査が始まり,保安点検所もとくに問題なく通れて,飛行機もほぼ予定通りに到着し,ほぼ予定通りの時刻に離陸した。あまりにスムーズなのが気持ち悪いほどだ(っていう感覚も何か間違っている気がするが)。ブリスベンへの到着も予定通りで,入国審査でも何も問題なく(というか,申告する物がなかったので,書類をそう書いておいたら,税関と検疫はまったくノーチェックで)入国できた。あの厳しいオーストラリアとは思えない。

4人でタクシーに乗ってExplorers Innに着いたのは18:30頃だった。46ドル90セントだった。妙に心配性の運転手で,翌朝早い飛行機に乗るなら迎えに来るかい,と聞いてくるので頼んだところ,最初は6:00と言ってOKということだったのだが,引き返して来て飛行機の離陸は何時かと聞くので,8:20と答えたら,うーん,それだと6:00じゃ遅いかもしれないなあ,自分は5:30に来るから,5:45には乗った方がいいよ,というのだ。Explorers Innの受付の女性もそうですねえと言うので従うことにしたが,こんな律儀な運転手は珍しいと思う。

ちなみにExplorers Innの受付の女性は,驚いたことに日本人だった。いつも満室で予約できなかったのだが,今回うまく4室予約できたし,ここは他のホテルよりも20ドルから40ドル安くて,一泊7,000円もしないのでラッキーと思っていたが,受付が日本人だなんて,余計にラッキーだった。オージーのおっちゃんもいい人が多いんだけれども,事務手続きの細かさと正確さと素早さは日本人が世界最高だと思うので,ホテルの受付には最適なのだ。しかも今回使ったネット予約システム(Agoda)だと,印刷したバウチャーを見せたらサインするだけでチェックインできてしまい,非常に簡便であった。次もこれを使おうと思う。

Explorers Innでのネット接続は,館内無線LAN経由で有料だが,1時間5ドル,2時間10ドル,24時間15ドルという時間制であり,転送容量には制限が無い。1時間と言っても正味の接続時間の合計であって,こまめにログアウトすれば使い切ることはないと思われたので,1時間の契約にした。

そこまでやってから外に出た。金曜以外は店が早く閉まってしまうので,土産物を買うために,モールにあるColeというスーパーへ急いだが,Explorers Innは立地も良いので,5分もかからずにスーパーに着いた。空港の6割くらいの値段でチョコレートなどの土産物が買えるのが魅力だが,翌日の朝食も買うことができて一石二鳥であった。

ブリスベン中心街モールの路上レストランのカレーライスその後,最初は行きつけの路上レストランに入ろうと思ったが,混み過ぎていたし,いつもテキパキと注文を捌いてくれるアジア系の女性店員がいなかったし,狭い席で地面が濡れているところに押し込まれそうになったので,別の路上レストランに移った。メニューなどはほとんど同じだったし,味も値段もたぶん大差ないとなれば,空いている方がいいに決まっている。ステーキにも心が動いたが,メニューを見ていたら無性にカレーが食べたくなって,汗をダラダラかきながらの晩飯になった。まあ美味だったが,辛かった。

ホテルに帰ってから,まずはメール受信をしたが,これも何の問題もなくできた。100通以上あって,容量も全部で1.3 MBほどあったが,6分で受信が完了した。回線速度もなかなかだ。つくづくこの宿にできて良かったと思う。最小限の返事を打ってからシャワーを浴びて,メモ打ちを始めた。

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Correspondence to: nminato@med.gunma-u.ac.jp.

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