枕草子 (My Favorite Things)

【第47回】 PNGの津波(1998年7月21日)

去る金曜日にパプアニューギニア西セピック州の海岸でマグニチュード7.1の地震と,それに続く津波があって,大勢の死者が出た。日本の新聞やラジオでもトップニュースに近い扱いを受けているし,オーストラリアのABCニューズなどでは,当然のごとくトップニューズである。パプアニューギニアの新聞,Post CourierでもThe Nationalでももちろん特集が組まれている。

人類生態学教室からも大塚教授と梅崎助手と学生2名がパプアニューギニアで調査中のため,この2,3日は,関係各方面から問い合わせが相次いでいる。そこではっきり言っておくと,今回の調査隊は南部高地州がメインターゲットなので,西セピック州の海岸とは長野と島根くらい離れており,ほぼ影響はないと思われる(追記1998年7月22日:ゴロカの医学研究所に着いた大塚教授から電子メールが入り,全く影響がなかったことが確認された)

何年か前のラバウルの噴火も酷かったと思うが,今回の津波は,老人と子どもが大勢死んだということと,これから起こる可能性がある栄養失調やマラリア流行などの二次災害が危険視されている。国連のアナン事務総長が国際的に救援を呼びかけたのは,その辺を懸念してのことであろう。日本からも救援隊が現地に向かったそうである。去年の大旱魃のときとは違って局地的な災害だが,日本の奥尻島のときも阪神大震災のときも世界中から救援がきたことを考えると,こういうときの国際協力はすばらしいことである。自分が行くことはできないけれど,旱魃の時のように大使館が窓口になった義援金募集があれば協力しようと思う。(8月7日追記:去る4日に本郷郵便局から日本赤十字経由で義援金を送った。日赤の場合,郵便局から振替手数料を取られないのがよい。)


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