つい先日ハードディスクを換装してWindows95を再インストールしたばかりだというのに,またも再インストールをするはめに陥った。何が起こったかというと,マザーボードが反応しなくなってしまったのだ。たぶん,BIOSのFLASH ROMが死んだのだろう。BIOSインストール済みのFLASH ROMは秋葉原で3000円くらいで各種売られているが,もとのマザーボードが古いこともあって探しきれなかったので,新しくケースとマザーボードを買うことにした。あまり時間がなかったので,「俺コンハウス」でAOpenのHX48とAX59Proを買ったら,ファンをおまけしてくれた。前にも書いたように,CPUはK6-2の300 MHz版を75MHzの4倍速で使っていたのだが,今回晴れて100 MHzの3倍速にすることができた。AX59ProはチップセットがApolloのMVP3なので,これまでのVPX-Aの後継上位機種と言えるのだが,いろいろとPCI Bridgeなど根本的に違うようで,注意書きに書いてあった通り,ハードディスクをまっさらにして再インストールする必要があった。ハードウェアドライバの設定もさることながら(とくにIBM Smart PCカードドライブというISAバスと3.5 inchベイを使うPCMCIAインターフェースと赤外線通信インターフェースが面倒でならない),使っているアプリがたくさんあるのでインストールが大変だった。米国留学中に買ったWord Perfect 7.0英語版みたいに他のアプリより先にインストールしないと動かないなんて我が儘なソフトもあるので,なかなか気をつかうのだ。コマンドラインで使うソフトやフリーのユーティリティは,概ねSCSIハードディスクにディレクトリごとコピーしておいて書き戻せば使えるものが多いので良いのだが,何百メガバイトもある市販のアプリケーションをいくつもインストールするのにかかる時間は馬鹿にならない。それで,アプリのインストール中,平行してAlphaマシンのカーネルの再構築もした。予想外に手間がかかったのだが,効果は大きかったので満足している。
ユーティリティの中で困ったのは,このページでも紹介しているFFFTPと,ネットスケープである。FFFTPはホスト設定をWindowsシステムの方にするようだし,ファイルに書き出すこともできないので,一々ホスト設定をし直さねばならない(2月22日追記:これは不正確な表現であることがその後判明した。ファイルに書き出すという機能は確かにないのだが,レジストリではなくてINIファイルに設定を保存することはできるのだった。)。ネットスケープはusersをバックアップしておけば良かったのだがし忘れたので,ブックマークが皆きれいに消えてしまった。WWWCのおかげで頻繁に見るページは全部復活できたが,滅多に見ないページはわからなくなってしまった。やはりWEBサイト内にパーソナルブックマークのページを密かに置いておくべきかもしれないと思う今日この頃である。
忙しいといえば,月曜日には人口学の講義もあったのだ。今回のテーマは病気と人口であり,病気とは何かというところから,病気と人口にかかわる要因が病原性,感染力,免疫原性と人口規模であるという話を経て最適病原性の進化モデルを説明し,人口の変化と病気の歴史的変遷という話で一旦まとめて,後半は病気の伝播の数学モデルの話をした。後半やや趣味に走ったかという気もしないではないし,内容を詰め込みすぎたせいで随分急ぎ足で説明をしたので,後半がわかった学生はあまりいなかったかもしれない。こうやって講義をした直後は反省するのだが,年に数回しか講義というものをしないので,なかなか進歩しない。いかんなあ。
先週の土曜日は三番瀬フォーラム浦安の発会イベント「浦安からの三番瀬保全」というのに行って来たのだ。出席者は大部分浦安市民であり,ぼくのような立場で参加した人はほとんどいなかったようだ。まあ住民活動的な側面を強めるための支部化だろうから,それも当然かと思う。例によって小埜尾さんの話は興味深くかつ肯けるものであった。本来の意味でのmitigationを求めたいという論点は,住民本位である限り,生物多様性保護を錦の御旗にするよりも強力である。ただ,住民本位を立脚点にするときには,地域エゴのぶつかりあいになりがちで,対立地域間で価値観のゆらぎで書いたような視点のずれがあると何も解決しなくなると思われるので,そこをどうすれば道が開けるかというあたりまで考えなければならない。ぼくの答えとしては,やはり意識調査と環境調査と環境影響予測シミュレーションによる最適配分しかなかろうとなる。うまく行くかどうかは未知数だが,ないよりましだろう。他にうまい方法があったら教えてほしいものである。イベントでは,最後に出てきた浦安市長が思ったより若かったのに驚いたが,市長の発言で引っかかったことが一つ。何でも,浦安では2001年にDisney Seaとかいう大型娯楽施設が開業することが決まっているらしい。市長がいうには,既に湾岸道路も国道も渋滞がひどいので,第二湾岸道路は必要だとのことである。しかし昔の計画通りに三番瀬を埋め立てて,川崎から蘇我まで第二湾岸道路を引くとなると,環境保全問題だけではなくて,時間的にもこれから10年くらいはかかるので間に合わないから,三番瀬は手を着けないことにして,川崎から浦安までの間だけ作ってしまうという案が非公式に検討中らしい。つまり,川崎と木更津の間でアクアラインが既にできているので,習志野あたりの住民は木更津回りで川崎方面へ行けばいいという話だ。地域エゴの典型のような考え方ではあるまいか。
さらに疑問なのは,彼らの選択肢の中に,車の使用制限ということが含まれていないことである。同じ日の日経には,茨城県の古河市が自転車の町宣言をして車の使用制限も考えるという記事が出ていたが,なぜ千葉から東京という東西線,京葉線,総武線,京成線と公共交通機関がたくさんある(しかも京成は都営浅草線経由で京急に直結しているし,総武線も横須賀線に直結していて便利だ)ところで,車の利用が前提になるのか? ぼくには自動車に愛着をもつ人たちの気持ちは理解不能である。
浦安市長の話で目からウロコだったのは,なぜ海に降りられないかという話である。つまり,三番瀬が一望できる建物が林立する日の出地区があるのは,浦安マリナイースト21というところで,岸壁から柵を越えればすぐに三番瀬なのだが,現在は勝手に降りてはいけないことになっているのだ。降りてはいけない理由というのは,ここは住都公団の土地なので市には許可を出す権限がないということだった。現在折衝中らしいので期待したいところである。
今週もいつの間にか金曜日であるが,気が付いてみれば1月も終わりに近い。1999年も12分の1過ぎてしまったかと思うと,なにか恐ろしい気がする寒い昼下がりであった。