枕草子 (My Favorite Things)

【第149回】 右腕を酷使した週末(1999年7月12日)

金曜の夜は,教授と語っていたらあやうく終電に間に合わなくなりそうになった。翌日子どもたちを3月まで通っていた東京の保育園の夕涼み会に連れてくるために是が非でも帰る必要があり,上野までダッシュした。3分前に19番線ホームについてほっと一息ついていると,どうも電車がホームに来ない。聞くとはなしにアナウンスを聞いていたら,「22:14発あさま547号が20番線から発車いたします……」えっ,20番線? 発車? 一瞬のパニックから立ち直ると,既に発車のベルが鳴り響いていた。慌ててくるりと向きを変え,飛び乗ることができたが,あやういところだった。新幹線の終電に習慣的にのるやつなど少ないだろうから問題は起こらないのかもしれないが,急に変えるのはやめてほしいものだ。これが同じホームの反対側だったからまだ良かったが,階段を使わないと行けないホームだったら,間違いなく乗り遅れていた。

土曜の夕涼み会は,子どもは楽しんでいたが,自分一人で子ども二人を連れてゆくのは大層疲れた。しかし,5歳ともなると,4ヶ月ぶりに再会してもすぐに打ち解けるのだなあ,と妙に感心したり,得難い体験であった。ご招待くださった保育園ならびに父母の会の皆様に感謝したい。

昨日はのんびり過ごしていたのだが,近所の長野高校で金鵄祭という名の文化祭が行われていたので,午後から出かけてみた。まず驚いたのは,内部の美しさである。ぴかぴかに磨き上げられた板張りの廊下,採光がよくてすばらしい眺めの教室。こういうところで授業を受けられる長野高校の生徒は幸せである。長野県立長野高校ではなく,長野県長野高校という名称なのが面白かった。展示そのものは,やや大人しい印象を受けたが,最終日の午後遅くという時間帯のせいかもしれない。鉄道模型など,それなりに息子の気を引きつけるものはあったようだし,行って良かったと思う。もっとも,長野高校の裏手の田んぼに見つけた小さなカエルと無数のおたまじゃくしや,いちじくの木にくっついていたカナブンへの興奮の方が,どうも大きいようだったけれど。

そんなわけで,2日間,娘を抱いて歩き回ったので,右腕が相当に痛い月曜日である。


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