ちょっとソロモンへ行って来た。
昨年来,ガダルカナル島ではマライタ島出身住民の排斥を目的とした武装ゲリラがいるため,首都ホニアラの東西15 kmを超える範囲に行くことは禁止されていて,観光での訪問については延期勧告が出ているほど危険な情勢である。ぼくが廻ってきた限りにおいては,とくに危ない目には遭わなかったけれど,意外に日本人に多く出会った気がすることから考えると,限られた場所にいるから危ない目に遭わないということか。ソロモン諸島のような国でも,いろいろな団体や人の思惑が錯綜し,何事もストレートには行かない現実がある。脳化の副作用か。
じゃあ,「ちょっと」なんてお気軽感覚ではないではないか? まあ確かに多少の緊張感はある。しかし,たったの10日間で往復,しかもソロモン諸島国の中を国内線に乗って行ったり来たりするという忙しさであったにも関わらず,スケジュール通りに動けたし,ずっとホテル泊まりだったのでせっかく持っていった寝袋も蚊帳も無用の長物と化したという現実からすると,「ちょっと」という感覚になるのである。今回のソロモン行きは,予備調査の予備という感じで,調査候補地を見て回ったり,カウンターパートを捜したりするのがメインだったので,日曜日などは,とくにやることがなく,ホテルで論文を書いていたほどである。vaio505を持っていったのは正解であった。
帰ってきて,まず直面した困難が1つ。定期券の購入である。ぼくは3ヶ月定期を買うためにVIEWカードの限度額を50万円にしてもらってあるのだが,上野駅では3ヶ月定期が買えなかったのである。たしかに何も使っていない状態から3ヶ月定期を買うのには限度額50万円で支障はないが,今回のように10日間の海外出張の間をあけて定期を買うために,1ヶ月定期を買っていたりすると,その引き落としが2ヶ月後であるために,限度額を超えることになってしまうのである。以前同じようなことがあったとき(たしか5月の連休明けだった),長野駅では多少もめた後で3ヶ月定期を売ってくれたのだが,上野駅のフローラ上野ブックガーデン裏の,というか新幹線改札口隣の「みどりの窓口」にいた人は,あまり3ヶ月定期を売りたくないのか,「46万だって」と,いかにも信じられないといった口振りで何度も繰り返しながら,ビューカードの窓口の方と交渉してくれというばかりであった。ビューカードという支払い手段は,今ひとつ利用者の利便性を考えていないように思う。だいたい1年近くの間新幹線定期を買い続け,口座からきちんと引き落とされているのに,1ヶ月定期が切れた時点で3ヶ月定期が買えないなんて馬鹿げた事態そのものにも腹が立つが,利用者の利便性などまったく考えていないような「みどりの窓口」の対応には,余計に腹が立つのである。2ヶ月経たないと引き落とさないのはビューカード側の事情であって,こちらとしてはすぐに引き落としてもらっても一向に構わないのだ。ただ多額の現金を持ち歩きたくないからビューカードを使っているのに,こんなことでは何のために年会費を払っているのかと思ってしまう。事態が改善されないならビューカードなど解約して現金払いにしてしまうぞ。明日電話で交渉してみよう。
だいたい,長旅で疲れていて考える気力がなかったので,つい妥協して1ヶ月定期を買ってしまったが,1ヶ月では16万ちょっと,3ヶ月では46万ちょっとなのだから,1ヶ月当たりにして1万円近い差があるわけだ。つまり,今夜だけ切符を買っておいて,明日の朝,長野駅で3ヶ月定期を買うという手をとった方が得だったのだ。締め切りが近いことは山のようにあるし,いきなりサーバが不調だとかいうし,こんな些末なことは考えたくもないのだが,さりとて1ヶ月で1万円違うのは大きいので,考えないわけにもいかない。ともかく腹立たしいのである。
「みどりの窓口」で時間がかかったためもあって21:30発あさま535号には乗れず,いきなり終電となった。当然長野電鉄は終わっているので歩くわけであるが,恨めしいことに冷たい雨など降っているのである。よほどタクシーに乗ろうかと思ったが,まともに定期が買えなかった上にタクシーに2000円近くも投資するのはあんまりなので,でかいリュックを担いでふらふらになりながら,歩いて帰った。それでも朝は6:00にちゃんと目が覚めるのだから,我ながら大した体力であると思う。大粒のぼたん雪が降っていることもあり,長野電鉄に乗って,7:50発あさま2号に乗り込んだ。いつものように,上田の手前のトンネルを抜けると,さっきまでの雪はなんだったの? といいたくなるような青空が広がっている。きっと東京も晴れているだろう。