枕草子 (My Favorite Things)
【第262回】 オセアニア学会へ行く(2000年3月22日-23日)
- たいして仕事が捗ったわけでもなく,気力が足らずにコンピュータの組立てもしなかったのに,ほぼ徹夜状態で研究室で夜明かし。せっかく寝袋があるというのに,思い切りの悪さがいけないのだろう。オセアニア学会WEBサイトの更新をしたり,ソロモン諸島の報告書を作ったり,それを夜中に研究室に戻ってきた教授に(ちょっとだけだが)説明したり,その未来開拓がらみの求人要項原案を作って教授にメールしたりしているうちに3:00となり,朝起きる自信がなくなったので徹夜になってしまったのである。が,眠い頭で論文を書くのが捗るわけもなく,3:00から6:00にできたことは結局文献と書類の整理くらいだった。ソロモン諸島でお会いした丸山茂徳先生も研究室に泊まり込むことが多いというが,こんな無駄な時間の使い方はしていないのだろうなあ。
- 6:00過ぎに研究室を出て丸の内線で東京駅へ。みどりの窓口で廿日市往復のチケットと広島までの新幹線自由席特急券を買い,朝食用に弁当を買ってから7:07発のひかり113号博多行きに乗り込む。昨日は『朝一番の「のぞみ」』と書いたが,「ひかり」でも間に合うので変えたのだ。東京駅ではがらがらだったので,もっとゆっくり来ても良かったかもしれない,とちょっと後悔。ともかく眠いので,2号車に乗り込んで弁当を食べてからは,岡山まではひたすら眠っていた。岡山から広島までvaio505rxを開き,過日の寺井尚子のNHKトップランナーでのライブをMP3化したものを聞きながら(「故郷」から「いつか王子様が」に流れていくのも和んで良いが,Jazzのspiritが弾け飛ぶようにハイ・テンションで弦が打ち鳴らされる「Spain」は筆舌に尽くしがたく最高である),いろいろとタイプしているうちに広島に着きそうである。山陽本線廿日市方面は12:05に2番乗り場というアナウンスが流れている今は11:51である。
- アルカディアビレッジという宿は,その名に恥じず山の中にある。廿日市駅からバスで30分弱だったと思うが,見事にそれ以外に何もない温泉保養施設である。温泉の泉質は素直で,ほとんど普通の水道水を沸かしたようなサラサラの湯である。閑静なたたずまいで眺望もよいのだが,問題は周りの山に植林されているスギである。花粉症の症状がひどくなって,鼻が通らないのである。オセアニア学会自体は例年以上に盛り上がりをみせていて良かったのだが,前夜の徹夜が祟って夜の部を0:00頃リタイヤしてしまったのが残念である。朝は7:00に鼻が詰まって目が覚めたので,食事をして朝風呂に入り,12:15にタクシーの配車をしてくれるようフロントに依頼してから,シンポジウムをきく。
- シンポジウムではオセアニア研究についてあまりに悲観的な話ばかりがでたので,ゲノム研究が可能になりcommon diseaseが問題になっている現在においては医学・生物学的な立場からオセアニアの地域小集団に関心が集まってきていて,そこでは文化人類学的な立場からの協力が求められているというコメントをしてしまった。多少(というか,かなり)シンポジウムの趣旨と食い違っているのは承知の上だが,違う立場からもコメントをするようにと唆されたし,それ以上に文化人類学の問題をオセアニアの問題として扱われるのが嫌だったのである。
- 終了後,タクシーで廿日市へ出て,広島までJR,広島風お好み焼きを食べてから13:37の「のぞみ18号」に乗ったところである。誤算が一つ。JR西日本ではビューカードが使えないのである。8540円借りることができたので良かったが,それにしても使えないカードである。
- 揺れを我慢してしばらく打っていたが,どうにも揺れがひどいのでタイプを諦めた。長野新幹線に比べて3倍くらい大きく揺れるような気がする。これでは仕事にならん。研究室に18:00前に着いたのは,さすが「のぞみ」を使っただけのことはあると思う。雑務をこなしているうちに終電になってしまった。うーむ,我ながら進歩のない。
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