枕草子 (My Favorite Things)
【第419回】 今日は雨(2000年11月1日)
- 往路,今にも泣き出しそうな空ではあったが,まだ降っていなかったので自転車を飛ばしたにもかかわらず,目の前であさま504号のドアが閉まってしまう。あと1分,いや30秒早く出ていれば,あるいは1回信号を無視していれば,などと後悔が脳裏を駆け抜ける。沈んでいても仕方がないので,階段を昇って待合室で時間をつぶす。待合室も過ごしやすいし,vaioを開くのに支障はないから,実質的には大したダメージはないのだが,気分が違うのだ。
- 結局506号に乗り,2号車の19Aに座る。論文の直しを継続。
- 研究室に着いてメールを見ると,またオセアニア学会からの仕事が。呆然として窓外を眺めると,雨が落ち始めていた。涙雨か。
- 雑用は後回しにして,午前中は論文の直しをやったが,終わらなかった。昼食がてら雑用を済ませようと思ったのだが,例によって,そうは問屋が卸さないのだった。雨が激しくなったような気がする戸外に,悪い予感を感じるべきだったのかもしれない。もともとGatewayの新しいWindows98SEのコンピュータが届くことになっていたので,卒論生と修士1年に手伝って貰ってセットアップのスキルを積んで貰おうと思っていたのだが,第1に,隣のNT4マシンで死んでいたMOドライブを転用しようと思ったのが嵐のきっかけだった。喩えて言えば,フィリピン沖で熱帯低気圧が発生したようなものである。秒速100メートルくらいでこの嵐は勢力を拡大し,GatewayもNT4マシンもどちらも立ち上がらないという最悪の事態を生み出すに至った。GatewayはFDDのLEDがつきっぱなしになるので,コネクタに差し込む向きを変えてみたら一旦は立ち上がったが,相変わらずつきっぱなし状態は変わらないので,再びコネクタを差し込む向きを戻して差し直してみたら嘘のように直った。たぶん,接触が悪かったのだ。Gatewayのマシンは出荷前に接触くらい確かめないのだろうか? いや,もしかしたら運搬中にずれたのかもしれないが。あとは各種ドライバを入れたり,アプリを入れたりするので時間がかかったが,概ね卒論生に任せておけたのは,さすがにニューマシンというべきか。
- 恐ろしいことになったのは,NT4マシンだった。まるで真夏の吹雪というか,ホワイトアウトみたいな,いやWinNTだからブルーアウトとでも言いたいような状況に陥ったのである。ターミネータの設定やBIOS設定を変えながら何度か再起動していたが,いつの間にか,disk read errorとか表示されて,DMIチェックから後に進まないという状況に陥ったのである。あらゆる考えられる手を尽くしたが,どうやらディスクのboot領域が物理的にいかれてしまったらしいと推察された。仕方がないので,Alphaマシンから外して余っていたUW-SCSIの4 GBディスクと付け替えることにし,SCSIカードもAHA-2940UWに交換した。外したHDDは別のマシンにつけてデータだけ読み出す,というような面倒くさいことは萩原君がやってくれたし,HDDとSCSIカードの交換によって蘇ったマシンにWindows2000をインストールするという作業も修士1年が随分やってくれたのは良かった。しかし,平行して第3の問題が起こった。PC9821V7という古のNECマシンに,I.O.DATAのSC-98IIIを差してMOをつなごうとした院生がいたのだが,SC-98IIIのドライバが見つからなくてどうにもならなくなってしまったのだ。I.O.DATAのサイトにあるドライバが差分になっているというわけのわからんケチ臭さのせいで,オリジナルのフロッピーが見つからない限りインストールできないのだった。研究室中をくまなく探したが結局見つからず,明日SCSIカードを買うという結論に至ったのは21:30のことだった。
- 途中,人類学会の発表練習にコメントするのにも1時間ばかりかかったが,基本的にコンピュータ作業で午後いっぱい潰れた一日だった。明日こそは論文の直しを完成させなくては,まずいなあ(新幹線でやろうと思っていたら,転送ミスでvaioのファイルが空になっていた。泣き面に蜂とは,まさにこういう状況ではなかろうか)。若干小降りになった雨の中,傘をさして自転車に乗り,上野に向かったが,当然の結果として帰りは終電である。4号車に座れたのは台風一過といった感じか。
- 帰宅後,vaioを充電しながら,メールで催促があった図の作成のためにシミュレーションを走らせて眠った。
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