枕草子 (My Favorite Things)
【第427回】 環境保健学講義「マラリアと環境」(2000年11月10日)
- 往路は始発あさま500号。昨日書いたとおり,今日は9:00から環境保健学の講義である。講義内容は去年とさほど変わり映えしないが,今年は出席をとる代わりに,感想や質問を書いて貰うことにした。質問に対しては,後日マラリアのページを使ってQ&A形式で答えるという新機軸である。さてどれくらい反応があるだろうか?
- 講義が終わってからやるべきことを忘れないように,今のうちに(@新幹線車内)列挙しておこう。午前中に税金控除のための緑色の紙への記入を済ませること。人口学会のアンケートに記入すること。履歴書を完成させること。ライブコーヒーが安売りの日らしいので,昼飯は本郷三丁目交差点近辺でとることにしてついでにコーヒー豆を買うこと。午後は,国際シンポジウムで発表するための資料を作ること。これはWEBページにしなくてはならないことになっている。夜はBulletin編集会議があるので,それが終わってから資料作りを継続し,もし首尾良くそれが片づいたら「東京湾の環境問題史」の短評を書くと(人口学会の仕事)。こんな状況では,目下最大の研究課題である死亡モデルの検証はなかなか進まないのである。あ,そういえばオセアニア学会のWEBサイト更新の仕事があったのを忘れていた。
- コーヒー豆なんか買ってるから暇がなくなるんじゃ? という指摘があるかもしれないので言い訳しておくと,こういう生活の中にあってこそ潤いが必要だと思うのだ。ぼくはその状況のシミュレートでストレス解消できるほど脳優位の存在にはなれないし,なりたくもない。
- さて,これから講義だ。
- 出席者は7人しかいなかったが,誰も眠らずにちゃんと聞いてくれたので良かった。意見や質問も結構書いてくれたし。手を挙げて質問する学生はいなかったが,疑問がないわけではないのだよな。新機軸は成功かも。まあ,Q&AのAの部分を書いて(ついでに最新のNature Medicineに載った,Liver Stage Antigen 3を使ってチンパンジーで成功した新しいワクチンの話も追加しよう),その評価を学生に聞いてみるまでは,本当に成功かどうかはわからないが。
- 先日の人口潮流シンポを始め,このところ人口に関する講演会が多い。センサスがあったということも一因かもしれないし,21世紀を前に人口を考えたくなる人が多いのかもしれないが,良い傾向だと思う。近々あるものをメモしておこう。,来週火曜の午後に理学部人類学教室で行われる,たぶん半公開の談話会は,Mortaility Decline: is the past a prolog ? と題して(中身は今年のNatureに載ったG7諸国の死亡率低下パタンが似ているという話らしい),Mountain View Research所長Shripad Tuljapurkarさんによって行われる(UCBのRonald Lee教授との共著のこのページからダウンロードできる論文は面白いし,5年前には中国は一人っ子政策によって性比が男性に偏るのではないかという論文もScienceに発表していて,切れる研究者なのだ)。人口情報ML[69]の日大人口研オケージョナルセミナーは,「人間の寿命はどこまでのびるのか」というタイトル(Tuljapurkarさんのテーマに近いなあと思ったら,実は発表者の堀内さんはTuljapurkar論文を同じ号のNews & Views欄で論考している人だった)に惹かれる。同じく人口情報ML[70]の世界人口センサスのシンポジウムも面白そうだ。さて行く暇があるだろうか?
- メールが届いたので日本オセアニア学会のサイトを更新。昼食は末廣というラーメン屋で食べたが,味噌味のスープが美味だった。カレー屋プティフとマルセイユ靴店の間の奥まったところにあって立地が悪いせいか,気の毒なほど空いていた。17:30からのBulletin会議はなんということもなかったが,なかなか予定通りに事は進まない。まだ履歴書をやっている。
- 金曜日の終電ときたら異様な混み方なので,履歴書すら終わらないままに,終電1本前で家路についた。大宮で運良く座れたが,あまり仕事はできなかった。堕落してるなあ。
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