枕草子 (My Favorite Things)
【第589回】 長電クワガタ列車(2001年7月15日)
- クワガタ列車というイベントがあったので行ってきた。たしか権堂駅の駅員の趣味から始まったと聞いたクワガタ飼育だが,長野電鉄は,去年からそうやって飼育されたクワガタの幼虫を配るのをメインに据えた特別列車を走らせているのだ。去年は須坂と屋代を結ぶ河東線を使ったらしいが,第2回の今年は,廃線が決定している木島線を使った「さよならイベント」のトップバッターの役割も兼ねて,木島で行われることになったそうだ。
- チケットは100枚限定販売され,1枚で4人までという家族チケットになっていて,そのイベントで使えるだけでなく,今日一日中,長野電鉄の全線が乗り放題なので,午前中に長野駅近くの床屋で髪を切ってきた。食後すぐに家を出て,13:06頃信州中野駅に着いたら,13:25の集合まで時間があるにもかかわらず既に木島線のホームは大混雑だった。幸い座れたが,若干立っている方もいたようだ。13:45頃木島駅に着いてからは,鉄道警備隊の方による腹話術や,カブトムシ飼育教室,クワガタムシ飼育教室というのも,なかなか面白かったが,大方の関心は世界のカブトムシやクワガタムシの展示即売会に向かっていたようだ。相場からすると破格の安さだったとは思うが,生態学者のはしくれとしては南米や東南アジアのカブトムシやパプアニューギニアのキンイロクワガタを買おうという気にはなれなかった。見る分にはいいのだが,逃がさずにちゃんと死ぬまで面倒をみるのは大変だろうと思われたので。
- プレゼントとして貰ったのは山梨県産のオオクワガタの幼虫1匹だったが,それを飼うのにもマットがいるのでマットを買ってきて,帰り道大層重かった。家の近所の駅に着くと土砂降りの雨だったので濡れながら走って帰ったが,子どもたちが満足していたようなので,まあ良かった。マットに適度な湿り気を与えて(握って団子状になるけれど水は垂れてこない程度),ガラス瓶に詰め,中央に穴をあけて小指の先ほどのクワガタの幼虫を移すという作業に30分ほどかかったが,こういう作業をするとなんとなく愛着が湧いてくるから不思議である。本当は子どもたちにやらせた方がいいのだろうが,まだちょっと無理っぽかったので,今回はぼくがやってしまった。これでうまく成虫になるまで育てられたら,次からは子どもたちにもやらせてみようと思う。
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