娘を保育園に連れて行った後，午前中は家で仕事。11時半になったら息子の小学校に出かける予定である。
小学校では，まず給食の試食があり，その後子どもたちの給食を参観し，子どもたちが掃除をしている間に栄養士さんの話を聞いて，その後５時間目の体育を参観し，学級懇談会をやって解散，という段取りだった。
せっかく個々の食べ物は丁寧においしく作られているのに，献立としての組み合わせがあまり良くないように思った。「完全米飯給食が日本を救う」で井上ひさしが言うほどひどいとは思わなかったが，汁物と煮物が出て，それぞれに共通する多種類の具が入っているというのは調理特性を生かしたものとは言いがたいと思ったし，米飯給食だったのに汁物にうどんを入れなくてもいいんじゃないかと思ったし，何より飲み物として牛乳がでてくるのはいただけないと思った。カルシウムとタンパク源という意味なら煮干を丸かじりさせるとかでもいいと思う。どうしても牛乳だというなら，おやつとして別の時間に出すことにして，昼食時にはお茶か水ということにしたらいいのではなかろうか？
子どもたちの食事風景はあまり見られなかった。というのも，試食をした後片付けをしている間に，子どもたちの食事は始まってしまい，教室に入ったときは，息子などほぼ食べ終わっていたからである。しかし個人差が大きくて，ほとんどどれにも手をつけていない子もいたし，また一方ではおかわりをする子どもも何人かいた。全体としてみるとかなりの残飯が出たことが気になった。豚か何かの口に入るならまだいいが，生ゴミになってしまったら大変な無駄である。ぼくは気づかなかったのだが，後できいたところでは，教室に塩が用意されていて，味がないと米が食べられない子どもはかけてもいいことになっているそうだ。パプアニューギニアの「ドライライス」を思い出してしまった。塩分摂取という面でも問題だが，味覚破壊につながるのではないかと心配になった。
栄養士さんの話をお聞きして初めて知ったが，長野市の小中学校の給食は，大きな給食センターで一括して作られて運ばれてくるのだそうだ。道理でスープも冷めているわけだ。人数配分で給食が送られてきてしまうので，食の細い子が多いクラスがあったとしても，作る量を減らすといった弾力的な対応が不可能なわけで，これが残食量が多い原因の一つだと思われる。県内でも塩尻市などは自校給食だそうだから，できないはずはないので，市に対して要望をだしていくべきなのだろう。選挙のときが一つのチャンスだから，これを争点にしていけばいい。SBCに投げてみるか？ そういえば近々市長選があるので，なんらかの手段で声をあげるタイミングとしては悪くないだろう。熱塩加納村の加納小学校のように地元の食材のみで完全米飯給食にするといった夢も，自校給食でないと難しいので，まず第一段階としての目標はこれだと思う。子どもが減って空き教室が増えているはずだから，内装の改築だけで調理室は作れると思う。現在よりも多くの調理師が必要になるはずだから大規模な雇用創出にもなるだろう。うん，十分具体性があるぞ。
体育の授業は，最初は参観していたのだが，リラックス体操の途中から，「お父さんお母さんも一緒にやりましょう」というお声がかかって，授業参加になった。といっても，父親はぼく一人だったので，２人組で身体が密着するような体操をお母さん方とやるわけにもいかない。困った顔をしていたら，先生がたまたまペアがいなかった子どもを見つけて組ませてくれた。その後，子どもチーム対大人チームのドッヂボール（dodge ball）になったのだが，ぼくはつい熱くなって本気で速いボールを投げまくってしまい，10人余りの子どもに当ててしまった。大人チームの勝利に貢献したわけではあるが，童心にかえりすぎだったかもしれない。しかも，調子に乗りすぎて，途中ボールをファンブル（fumble）してしまったので，格好よくもなかった。もっとも，「お父さん超強えーね，ってみんな言ってたよ」と言って息子が満足していたようなのでいいことにしよう。
学級懇談会では，去年より１週間長くなった夏休みについて，賛否両論が聞けて面白かった。我が息子は夏休み半ば以降ずっと妻の実家で祖父母の世話になっていたので，個人的には長くても短くても関係なかったのだが，８月中旬はまだ暑いから，子どものためには２学期の開始時期は今年のように８月末の方がいいと思う。
夜，入浴後，５歳の娘の皮膚炎に保湿剤を塗る役目を妻とどちらがやるかという話になり，娘に聞いたら「お父さんがいい」というので，「なんで？」と問うと，「お父さんの方が好きだから」というので，それじゃあ，やってやるしかなかろう，と手にもっていたお茶を一息に飲み干したら，「ってわけじゃないけど」と続いたので，思いっきりむせてしまった。何とも絶妙のタイミングだった。