枕草子 (My Favorite Things)

【第662回】 送別会(2001年9月26日)

往路あさま550号。相変わらずこの電車は佐久平まで通学する女子高生が多い。2号車だけで少なくとも5人はいる。ぼくの生活には何の関係もないが,なんとなく気になるのである。今日は久々にマンデリンを淹れて魔法瓶水筒に詰めてきたので,気分的にゆったりしている。そのおかげで,最近の通勤に欠けていたのがこの余裕だったことに気づいた。やはりコーヒーか茶をきちんと淹れて,新幹線の中でもその香りと味を楽しめるようにすることは大事だ。

電光掲示板に流れるニュースによると,医療費の本人負担を3割にするという。中途半端だと思う。国民皆保険が破綻したと認めてご破算にし,米国みたいな入りたい人が私保険に入るという制度にするか,徹底的に保険点数を見直して薬に金が流れる制度を改め,2割負担でも財政が成り立つようにするか,のどちらかに割り切った方が国民の満足度は上がるのではないか。薬価とかいうとガチガチに利権が入り組んでいるから無理か? 「ストロング・メディシン」に書かれていたように,原価に比べて薬の値段が高すぎるのが開発費が高いためだとすれば,例えば,新薬開発はバザール方式でやるといったことは一つの解になりえると思うし,論理的には不可能ではないと思う。問題は制度と人の心だ。

今日は,研究室のコンピュータの副管理者を長い間やってくれた萩原君の送別会がある。ぼくは明日の講義準備を終わらせるために研究室でover-nightする予定なので,一次会だけで切り上げ,かつ酒は飲まない予定なのだが,二次会以降で研究室に戻ってくる人が現れることを内心恐れている。というわけなので,二次会以降も何とか外で続けてください>関係各位。

学位を取得した後の就職なので,本人にとっては実にめでたいことだ。その分,コンピュータ管理の責務は竹内君に期待する部分が大きくなってくるので,竹内君は複雑な心境かもしれない。もっとも,送別会というのは,常にそうした悲喜こもごもの交錯する場なのだと思うが。

送別会の前は,昨日の続きでFreeBSD-4.4Rのカーネルコンフィグレーションをしながら,デスクワークを進める予定である。さてどれくらい進むだろうか?

FreeBSD-4.*のカーネル再構築で注意すべきことは,ハンドブックの7章に書いてある標準的な再構築手順が使えないということだ。makeの途中でErrorを吐いて止まってしまうのだ。正しくは,次の手順で行う必要がある。

今回の教訓:アップデートは不用意にやってはいけない。

となるはずだったのだが,make buildworldの途中でErrorが起こり,そこから先に進めないのだった。さてどうしよう?

FreeBSDは試行錯誤続きのダメダメな展開が続いているのだが,夕方,非常に嬉しいニュースが入ったので,気分が明るくなった。今日の千葉県議会で堂本知事が三番瀬埋め立てを中止することを明言したのである。途中ふらついたような感じもあったのだが,公約を実現してくれて堂本知事を見直した。ただ,予定施設の代替地に見通しが立ったというものの,場所を変えるだけで流域下水処理場を作るのではイマイチだと思う。今後の自然保全計画については地元住民や漁業関係者を含んだ多くの意見を聞くということで,NHKのインタビューに,「ヒトはこれ以上手を入れないほうがいい」という大浜さんと,「既に悪化しているので保全のための事業は必要」という小埜尾さん(三番瀬フォーラム)が登場していたが,この種の議論がオープンな場で十分に行われることが大事だろうと思う。

送別会から帰ってきたら,やはり3度目のbuildworldも途中でErrorを吐いて止まっていた。ところが,理由はまったくわからないけれど,駄目かと思いつつ再起動したら,何ごともなかったかのようにloginできる状態にもどっていた。僥倖といえようか。master.passwdとpasswdとaliasesとshellsとinetd.confを書き戻してnewaliasesしてinetdにHUPを送ったら,完全に復旧してしまったようである。しかし,どうにも気持ちが悪いので,遠からずクリーンインストールしようとは思っている。


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