枕草子 (My Favorite Things)

【第696回】 Mozillaの魅力(2001年10月30日)

昨夜,長野駅を出ると,白い月が煌々と冴えていた。そういえば十三夜なのだな。これだけ月が明るいと,オリオン座も霞んでしまう。いつもは小三ツ星まで見えるくらいなのだが,昨夜は一等星すらぼんやりと見えるだけだった。

十三夜の月

往路あさま504号。今日は解剖学講義の資料配りと出席とりが午前中の仕事で,夕方からミーティングがあるので,研究する時間が少ない。それだけに有効に時間を使わねばと思っているのだが,いつも何らかの用が入ってきて,何もできずに終わることが多い。気合いを入れねばなるまい。

さて表題のMozillaの魅力であるが,実はMozilla-0.95-jaでタブ表示ができるということがわかった,ということを強調したいがためにつけたに過ぎない。だから,知っている人にとっては,なんだ,そんなこと,という程度の事実なのだが,また1つIEより優れているところがわかったのが嬉しかったので書いてみたわけである。「もじら組」によってほぼ完璧に日本語化されているので,K-Meleonのような弱点もない。軽さでいえば圧倒的にK-Meleonの方が勝っているが,安定度でいえばMozillaに軍配が上がるだろう。デザインも魅力的だし,K-Meleonの日本語対応がもうちょっと進むまではMozillaをメインで使うことにしようと思う。

ブラウザ関係で言えば,昨日Googleイメージ検索を使ってみて,実に便利だと思った。例えば,「泡瀬」と入れると,ちゃんと泡瀬の埋め立て問題関係のサイトにある写真や埋め立て予定地図が見つかるのだ。講義に出てくる場所や生物がどういうものか見たいという質問を良く受けるのだが,これで検索すればいいのだな。Mozillaで1つ残念なのは,Googleのツールバー付加機能(IEが対象で,Googleでの検索がツールバーとして付加されるので,どこのサイトを見ていてもGoogleでの検索が可能になる)が使えないことだが,これはGoogleが対応してくれないとどうにもならないだろう。Mozillaはオープンアーキテクチャなのだから,是非対応して欲しいものである(サイドバーの検索にはGoogleも入れられるのだが,どうも,サイドバーというのは今一つ使い慣れないのだ)。

ミーティングの1番目は,不思議な論文だった。砒素に職業曝露している人と,砒素に曝露していない対照群と,わざと砒素入りの水を飲んだボランティアについて,尿中砒素濃度を調べ,職業曝露のモニタリングにおいて,食べものや水からの曝露の影響を除外して考えるにはどうしたらいいか,という話らしかったのだが,過程と結論がどう考えても結びつかないのだった。それに,砒素入りの水を飲むボランティアというのは,いくら何でもやりすぎなんじゃないだろうかと思われた。2番目は,夜間の衛星画像で都市が光って見えることに目をつけ,それから人口分布を推計しようという話で,着想は面白かった。しかし,人口推計をするために都市人口比率を必要とするという決定的な弱点をもっていたのが残念だった。都市人口比率があれば総人口は既知なので,相対的な分布を知るにはいいかもしれないが,絶対的な水準を推計するための方法としては意味がないのだ。その後は暫く仕事をして,終電1本前で帰途に着く予定である。


前【695】(市長選は盛り上がらなかったようだ(2001年10月29日) ) ▲次【697】(親子遠足(2001年10月31日) ) ●枕草子トップへ