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医学情報処理演習:第9回課題の解答例

課題

途上国のある村で年齢階級別の人口と死亡数を調べた結果,以下の表が得られたとする。作図した上で,年齢階級によって死亡率に差があるか検定せよ。もし有意だったら,どの年齢階級とどの年齢階級に差があるのか検討せよ。なお,検定の有意水準は5%とする。

年齢階級人口1年間の死亡者数
30歳未満32024
30歳〜49歳12012
50歳以上11022

学籍番号・氏名とともに(注:絶対に忘れないこと!),下のフォームにRのコードと考察を貼り付けて送信せよ。

解答例

dead <- c(24,12,22)
pop <- c(320,120,110)
names(pop) <- c("-30","30-49","50-")
barplot(dead/pop)
prop.test(dead,pop)
pairwise.prop.test(dead,pop)

上記コードを実行すると,以下の出力が得られる。

ある途上国の村での年齢階級別死亡率の比較

グラフを見ると,50歳以上で死亡率が高いようにみえる。prop.test()により3群の死亡率に差がないという帰無仮説を検定した結果は,以下の通り帰無仮説は有意水準5%で棄却され,統計学的に有意な差があるといえる。

        3-sample test for equality of proportions without continuity
        correction

data:  dead out of pop 
X-squared = 13.6074, df = 2, p-value = 0.001110
alternative hypothesis: two.sided 
sample estimates:
prop 1 prop 2 prop 3 
 0.075  0.100  0.200

次にどの年齢階級とどの年齢階級の間に差があるのかを見るため,pairwise.prop.test()関数を使い,Holmの方法で検定の多重性を調整した比率の差の検定を行うと,以下の結果が得られ,30歳未満群と50歳以上群の間で,死亡率に有意差がある(p=0.0015)ことがわかった。

        Pairwise comparisons using Pairwise comparison of proportions 

data:  dead out of pop 

  1      2     
2 0.5113 -     
3 0.0015 0.1027

P value adjustment method: holm

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