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個別メモ
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【第1534回】 疲れがなかなか抜けないのは老化現象だろうか(2010年3月1日)
- 土曜は往路あさま510号で大学に行き,社会貢献公開セミナーで昼間が終わった。調査疲れが抜けないのか,眠気がひどい。某事典の初校をやらねばならないが,気力が足りず帰途に就いた。復路あさま539号。
- 日曜は某事典の初校をかなり進めることができ,終わりが見えてきた。しかし追加すべき9行というのが難しい。他にも本当は地域の仕事があったのだが,疲れていてできず仕舞い。しかし締め切りがあることなので明日の夜にはやらないとまずい。とりあえず土日とも娘のソフトボールクラブの練習がなかったのが救いで,かなり調査疲れは抜けたような気がする。今回は調査後のスケジュールが過密過ぎたことと,バナナを無駄にしないために食べ過ぎたことの後遺症があったとは思うが,調査疲れが抜けるのにかかる時間が年々長くなっていくような気がする。やはりこれは老化現象か。
- それにしてもチリの大地震には驚いた。日本の太平洋沿岸で発令された「大津波警報」にも驚いた。ソロモン諸島のことが不安になって調べたら,VanuatuやNZで15cmとか20cmということだったので,まあ海に浸かっていなければ大丈夫だろうと思われた。ホニアラにいる北大の院生からメールで問い合わせがあったので,とりあえずその情報を返事しておいた。
- 月曜は6:30起床。自転車で長野駅に着くと,年度末だからか,長野県消防設備協会と長野県消防長会が住宅用火災警報器設置キャンペーンのためのパンフレットとティッシュ配りをしていて,長野県衛生部も働き盛り世代の睡眠キャンペーンでティッシュ配りをしていた。前者は普通のティッシュに加え,ウェットティッシュを配っていたのが斬新だった。儲けた気分。後者はティッシュ外装に印字されているチェックリストが興味深かった。長野県はうつ対策に力を入れているようだ。表面には,「おはよう! よく眠れた?」と大きな字で書かれていて,その下に「家庭・職場・地域の朝のことばがけ」とあり,さらにその下に,「あんまり眠れない‥そんな返事が返ってきたら3つの事を聞いてみましょう!」とあって,チェックリスト(下引用)
- 疲れているのに2週間以上眠れない日が続いている
- 食欲がなく体重が減っている
- だるくて意欲がわかない
が載っていて,その右下に『それは「うつ」かも』と書かれていて,さらにその下に,『「うつ」は自分では気づきにくいものです。ご家族など身近な方が一緒に相談機関を訪ね,医療機関を受診することが大切です。』とあって,長野県衛生部の相談先電話番号が書かれていた。DSDのように多段階式のチェックになっているが,どういう研究が根拠になっているのかはわからなかった。けれども,「眠れない」をキーとして取り上げるという視点は面白いかもしれない。長野県衛生部の独自事業なのだろうかとも思ったが,内閣府が推進している事業の一環でやっているようだ。なお,裏面には,「うつ病の自己チェック」という18項目のチェックリスト(下引用)- いつもより早く目がさめる
- 朝起きたとき,陰気な気分がする
- 朝いつものように新聞,テレビを見る気にならない
- 服装や身だしなみにいつものように関心がわかない
- 仕事にとりかかる気になかなかならない
- 仕事にとりかかっても根気が続かない
- 決断がなかなかつかない
- いつものように気軽に人に会うことができない
- なんとなく不安でイライラすることがよくある
- これから先やっていく自信がない
- 「いっそこの世から消えたい」と思うことが最近よくある
- テレビがいつものようにおもしろくない
- さびしくて誰かにそばにいてほしいと思うことが最近よくある
- 涙ぐむことが多い
- 夕方になると気持ちが楽になる
- 頭が重かったり,痛んだりする
- 性欲が最近落ちている
- 食欲も最近は落ちている
が載っていて,はいが○,いいえが×,どちらでもないが△で自己チェックするようになっていた。リストの下に『質問の中で「はい」の数が多いほど,うつ病の可能性が高いと考えられますが,少ないからといってうつ病でないとは限りません。少しでも気になることがある方は早めに専門の相談を受けることをおすすめします。』と書かれていたが,判断基準が載っていないのが中途半端な気がした。まあ,基準値が独り歩きしてしまうと怖いので,これはこれで一つの見識かもしれないが,それにしても,価値観によっては普段から該当しない項目があり(例えば,4.はdouble barrelだし,12は微妙な文章だし……たぶん,いつもはおもしろいのだが今はおもしろくない,ということを意味しているのだろうが,いつもおもしろくないと思っている人も○になってしまう),このリストは今一つかもしれない。出典は何なのだろう? 14.はCES-Dの17とかDSDの18をアレンジしたのだろうが,12のようにオリジナルっぽいものもあって良くわからない。このチェックリストはvalidation済みなのだろうか? ちなみに自分は6.だけ確実に「はい」だけれども,これは多種多様な仕事が溜まりすぎているからなので,たぶん,うつとは関係ないんじゃないかと思う。
- 往路あさま510号。いろいろやりたいことはあったのだが,眠気に負けて高崎まで眠っていた。
- 昼ミーティングを挟んで,15:00頃までで某事典の初校関係の仕事と,ソロモン諸島出張関係の事務処理を概ね完了した。帰り道で散髪とオセアニア学会出張時のチケット購入と書類配りをしたい。その前に久々のR勉強会があるので,ネタを考えなくては……と思ったが,実は前の続きが残っているのだった。
- 常用しているメールクライアントであるSylpheedの3.0がリリースされたのでバージョンアップした。マルチスレッド化したとのこと。待ち時間が減るかも。
- R勉強会は舟尾さんのテキストの第5章が終わった。次回からWHOQOL-BREFの分析をやりたいという希望があったので,まずはCronbachのα辺りから説明しようと思う。英語のテキストが必要なので検索してみたら,1997年のBMJに載っていたBlandとAltmanのStatistics Noteがコンパクトで良さそう。
- 19:45になってしまったので散髪は間に合わないが,チケット購入と書類配りはやってから帰りたいので,もう帰ろうと思う。
- しかし結局,研究室を出たのは20:15頃になった。しかも外に出てみたら冷たい雨が降っていた。これで新前橋まで強行すると風邪をひきそうだと思ったので,バスに乗ることにした。バスは定刻に来たのだが,バスカードが何故か磁気異常を起こしていて使えないのには閉口した。降車時にも運転手さんがいろいろやってくれたのだがダメだった。しかたないので,新たに1000円のバスカードを購入した。とくに磁気を帯びたものに近づけたわけではないのだが。こんなことが起こるとバスカードは使えないなあ。ともあれ,運転手さんによると,他のバスなら使えるかもしれないという話なので,試してみることにしよう。
- 復路あさま549号。柏葉空十郎『ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様』メディアワークス文庫を読了。野球小説はついつい手にとってしまう。文章表現は,あさのあつこ『バッテリー』ほどこなれていないけれども,時々はっとするような鋭い描写があった。本書は前半が野球によって二重の意味で深く傷ついた「ひとりぼっちの王様」を「サイドスローのお姫様」の率直な愛(としかいいようがない)が癒し立ち直らせるストーリーであり,後半が本来の意味での野球小説なのだが,これまでの野球小説にはほとんどなかったポイントが2つあり,是非続編を読みたいと思わされた。その2つのポイントとは,(1)軟式の少年野球と硬式のリトルリーグに分かれている小学生の野球(リトルは中学1年まで含まれるけれど),主にリトルシニア,ボーイズリーグの2つの硬式と,クラブチームと中学の部活で行われる軟式と分かれている中学生の野球のそれぞれの運営状況とか,それぞれの出身者の高校の硬式野球部での立ち位置といったことについてかなり詳しく書かれている点と,(2)配球や守備位置を含む野球の戦術について素人にもわかるような説明とともに深く考えられた物語が展開する点である。もちろん,女子が高校野球に出られるという架空設定(高野連はいまだに禁止しているから)とか,不思議な魅力を放つ脇役であるヨージロ君(だっけか?)のあり得ない身体能力(見よう見まねのトルネード投法を初めてやって152 km/hを出してしまうなんて!)とか,あまりに自己愛の強い俗物で野球の素人という,漫画にありがちなステレオタイプの極致ともいえる野球部長の先生とか,フィクションならではの現実離れしたところも多々あるわけだが,総体として野球を良く知っていないと書けないストーリーだと思った。作者は高校野球経験者で,かつ少年野球かリトルリーグのコーチ経験者ではなかろうか。本書の設定の妙を生かした,試合のカギとなるワンプレーの描写では,ハンカチ王子と呼ばれた斎藤祐樹投手が,数年前の夏の甲子園の駒大苫小牧戦で投球途中で咄嗟にスクイズを外すワンバウンドに変えたという逸話(あれは止めた白川捕手が凄かったのだと思うが)を思い出した。なお,脇役のキャラ設定が魅力的なので,もう少し描写を深めてくれると,よりのめり込めたと思う。セカンドのビシバシランは,兄がいるという設定も含めてイメージはゴールデンゴールズの片岡選手の高校時代なのかとも思ったが,是非続編で活躍させてあげてほしい。主力選手全員が1年生という設定なので,剣道小説における『武士道』シリーズのように,あと2冊はいけるはず。
- 長野も冷たい小雨が降っていたが,自転車で帰ったので,ズボンがかなり湿った状態になった。明日までに乾いてくれればいいのだが。雨のため,配り物はできなかった。
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