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Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
【第1860回】 連休中日(2011年5月4日)
- 日曜日は家事をしながら人口学会要旨を作っていたが終わらないまま徹夜に突入し,月曜朝に完成してメール送信。月曜は娘の中学の授業参観+PTA総会などのため休みを取っていたので,そのまま中学校へ。国語と英語の授業を参観したが,どちらも興味深かった。国語は群読といって何人か組んで,一緒に読んだり一人で読んだりと役割を分担して詩を音読するものを2つの班がやった後,敬語の単元に入るところで,先生が経験談を紹介してから宿題が出て時間になった。英語は自分が中学生だった頃に比べて遥かに会話が重視されている感じだった。授業のテンポが良かった。PTA総会と学年PTA,学級PTAは,まああんなものだろう。総会での役員紹介とか,学年PTAでの担当教員紹介については,短時間で大勢が自己紹介するという現在のスタイルよりも,写真入りの資料でも配ってくれた方がいいと思うが(そうすれば,もう少し学級PTAに時間がとれるだろう),結局息子が入学した6年前から娘が3年生になった今年に至るまで,変わらなかったな。帰ってきたらメールで人口学会仕事が入っていたので済ませた。
- 火曜からの三連休,息子は高校の,娘と妻は中学の,それぞれ剣道部の遠征に出かけた。自分はどうかといえば,人口学会要旨は出せたけれども,まだまだ締め切りがあるので自宅で仕事をせねばならない。もっとも近い締め切りは,来週月曜の講義が3コマ担当(スクリーニング,母子保健,学校保健)なので,少なくとも朝一番の分は金曜までに資料を完成させておく必要があることだ。次は来週火曜から3日間,6年生の選択実習をするので,そのための題材の準備がある。来週水曜からは2年生の論文チュートリアルが始まるので,その準備もある。再来週月曜の講義は1コマ(保健統計)だが,5月17日の火曜までには,昨年度までの科研費の3年分の成果報告書を作らねばならない。水槽整備の続きとか庭の草刈りとかいった家事をしながら,坦々と仕事をしている。
- 水曜昼,食事をしながら読んできた,島田荘司『進々堂世界一周:追憶のカシュガル』新潮社,ISBN 978-4-10-325232-0(Amazon | bk1 | e-hon)を読了。京都大学医学部に通っていた若き日の御手洗潔と彼を慕う浪人生の会話を通して描かれる,4つのセピア色の物語。帯には『京都大学北門前の珈琲店「進々堂」で語られる物語は思いがけぬ謎を孕み,鮮やかな結末を導きだす。時空を超える,数奇な四編のミステリー。』と書かれているけれども,これはミステリーというよりも文学だ(面白くないというわけではない。紛れもなくエンターテインメントなりえているが,描き出したいことが,ミステリ性によりも強くメッセージ性にあるように思われたのだ)。島田の視線は,世の中の不平等とか差別とか不公正を鋭く抉り出すと同時に,社会的弱者へのそれはとても優しい。チンザノ・コークハイを飲んでみたいと思わされた第一話,力を緩めることができなかったのであろうギャリーの心情を思って涙させられた第二話,戦争の愚かしさに憤りつつ,そこでは話が終わらず,LAの曼珠沙華群落がもし本当にあるとしたら見てみたいと思わされた第三話,カシュガルの景色が目に浮かぶようだった第四話,すべてが追憶の(これがセピア色の感じ)彼方というトーンで貫かれていた。なお,本書は東日本大震災の被害者となってしまったすべての方に(なかでも,島田作品の最高の読者であった猪又聡氏に)捧げられていて,その経緯が「あとがき」に書かれていた。その意味では,本書のすべてが過去の日本へのレクイエムなのかもしれないと思われた。深い余韻が残る物語であった。
- さて仕事の続きだ。3:00頃,力尽きて眠ったが,とりあえず3コマ中1コマは準備完了した。
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