Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
確かに日本の電気の約30%は原子力ですが,発電設備全体の量から見ると,実は18%にすぎません。なぜその原子力が発電量では約30%に上昇しているかというと,原子力発電所の「設備利用率」だけを上げて,火力発電所を休ませているからです。
発電所は止まっている時もあるし,必ずしもフルパワーで動かしていません。それでは,設備のどのぐらいを動かしているのかというのが「設備利用率」です。
2005年の統計によれば,原子力発電所の設備利用率は約70%です。原発は一度動かしたら一年間は止めることができません。それで逆に電力が余ってしまい,消費するために揚水発電所という高コストな設備を造っていることはすでにご紹介しました。
一方,火力発電所は約48%です。つまり半分以上が止まっていたということになります。
今回の地震と津波で,原発が止まって電力不足になったような印象がありますが,実は違います。火力発電所が被害を受けたことが大きな理由です。
それでは,原子力発電を全部止めてみたとしましょう。ところが,何も困りません。壊れていた火力発電所が復旧し,その稼働率を7割まで上げたとすれば,十分それで間に合ってしまいます(p.170-171)
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