枕草子 (My Favorite Things)

【第34回】 パキスタンの核実験(1998年5月29日)

昨日の夜,パキスタンがインドに対抗して核実験をしたらしい。今朝のDailyMailによれば,被団協など13団体は広島の原爆慰霊碑前で,原水禁はパキスタン大使館前で,それぞれ抗議の座り込みをするということだ。「あー,インド君,核なんかもってていいなぁ,よーしぼくだって作ったぞ,ほらみろー」というのなら,被団協がいう通り『子どもの論理』だが,もう少し根は深いのではないだろうか(まあ,だからといって具体的に何かというとわからないんだけど…このあたり自分の世界史の素養の乏しさを感じる)。

原水禁がパキスタン大使館前で座り込むのは,まあ有効だと思うけれど,広島の慰霊碑の前で座り込んで有効なのか疑問である。パキスタンでは既にミサイルに核弾頭を積んでいるということなので,「使うと悲惨なことになるから使うな」という意思表示をしているのだ,と我々日本人にはわかるけれども,もっている側には意味がわからないのではないかと懸念を禁じえない。

もちろんぼくは核兵器には反対である。核兵器のもつ大量殺傷能力とその後遺症の悲惨さもさることながら,始末のつけ方まで考えていない技術は使うべきでないというのが最大の反対理由である。核分裂で生じた放射性廃棄物は,どう始末したら無害になるかがわかっていない。原発の廃棄物の場合,とりあえずコンクリートで封入して地下の深いところに埋めているわけだが,それが永久に安全である保障はない。完全にはしくみがわかっていない技術を,大規模に使ってしまうというのは人間の愚かさの極みである。

第3国の相乗りだけは避けたいところだが,有効な抑止方策は何かないだろうか?


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