枕草子 (My Favorite Things)

【第381回】 採点(2000年9月8日)

ふと気がついてみたら,今日は職員健診なのだった。11:30までやっているから,いつも通りでいいのだが,問診票に記入していく必要があって,しかもこれがHBの鉛筆でという指定があるのが鬱陶しい。記述式部分もあるけれど,どうせ機械にスキャンさせるためなのだろうから,受付の前に端末を10台くらい並べて,オンライン入力する方が効率がいいはずだ。身分証明書をICカード化してカードリーダを備えておけば,測定結果も即座にオンライン入力できて都合が良かろう。血液サンプルのラベルも,カードリーダにICカードを通せば自動的に印刷されるようなシステムが既にできていたと思う。ITというのはそういうところでの省力化にこそ役に立つと思うのだ。話はちょっと飛ぶが,政府もイベント(インパクとか)よりインフラ(ケーブル回線網とか)が大事だということを認識すべきだろう。

今朝は6:20に起きて冷や汁というものを作った。もちろんぼくの発明ではなく,妻の指導を受けての調理実習なのである。まずは煎った白ゴマをすり,そこに味噌を加えて混ぜ,隠し味に砂糖をひとつまみ加えてさらに混ぜ,にんにく酢をちょっと垂らしてから,予め解凍しておいた冷凍だし汁をちょっとずつ混ぜ入れていくのだ。全部混ぜ終わったところで,キュウリを1本,千切り器(っていうのか?)で切って落とし,さらにシソの葉を包丁で細く切ったものをぱらぱらと振りかけて出来上がりである。誰のレシピか知らないが,実に美味だった。これを作るのに時間がかかったということもないのだが,家を出るのが7:40を過ぎてしまい,新幹線は8:05発あさま504号となった。

上野駅から保健センターに直行したが,今年の健診は異様に混んでいた。1時間以上も待ち時間があった。人間ドックを受けているから,放射線取扱者健診さえなければ切ってもいいのだし,実際は放射線など扱っていないから資格を返上しようかと思ったほど。

さて本題。昨日試験監督をした科目とは別の科目の採点を一部任されたので,模範解答とつきあわせながらやっているのだが,これがなかなか面倒だ。自分が出した問題であれば出題意図がわかるので,回答内容を評価するのは簡単だが,模範解答があっても出題意図がわかるとは限らないし,たとえキーワードが指定されていても,キーワードを単語としては含まない形でも内容を正しく表しているような回答をどう評価するかが難しい。一般によく誤解されているが,どんな試験でも,試験問題を熟読して出題者の意図を把握することが最重要であって,どれだけ知識があるかということは二の次である。いくらたくさん書かれていても,出題意図から外れていては駄目なのだ。それでも白紙よりはましだけど。試験監督ほどではないが,だからぼくは,採点も嫌いなのだ。ん? ということは,そもそも義務として他人を評価することに伴う責任が嫌いだということか? だったら只の我儘だな。はいわかりました,そうでございます。反省します。

などと愚考を巡らせながら採点をする昼下がりの東京の暑いこと。でも,ひとこと言い訳しておくと,責任が厭なのじゃなくて,材料が不十分なままに評価するのが厭なのだ。

懸案のAlphaマシンだが,以前最終手段と書いたSC-UPCIのBIOSアップデート(LSI-LogicのSymbios系チップ用4.17を使った)は,IBMのPC-300GLを使って順調にできたものの,やはりAlphaの症状が同じなので,同じチップを使ったロジテックのSCSIカードと交換してみた(PC-300GLでWindowsで使う分には,SC-UPCIは何の問題もないのだ)。すると,Tru64が起動しない状況は同じなのだが,CompaqのLinux Jumpstart 1.0はめでたく起動したのだった。SC-UPCIがAlphaで使えないとは,ちょっと予想外の原因だった。Jumpstartの起動画面が出たとき,一瞬大喜びしたのだが,落ち着いて考えてみると,やっと以前の状態に戻っただけである。何としてでもTru64を入れねば。

とはいえ,途中で止めるわけにもいかない。JumpstartがRedHatかSuSEかTurboをインストールさせてくれるので,RedHat6.2を入れてみた。まさに以前の状態に戻ったということ。デフォルトではrpc.statdが開いているので止めねばならない。あーあ。

帰りは21:30発あさま535号の予定なのだが,どうなるかわからない。

sv3の設定に手間取り,結局終電。久々にOさんに会い,蟹田で撮った写真を貰った。防水のレンズ付きフィルムだった筈だが,DC-210 Zoomより綺麗にとれている。やはり安物のデジカメは限られた用途にしか使えないということか。最近,生協に1枚50円でjpeg画像を印画紙にプリントしてくれるカシオの機械が入ったのだが,DC-210 Zoomの写真をそのまま焼こうという気にはとてもならない。加工したものなら別だが。

とんでもない混み方だったのだが,運良く大宮で座れた。佐久平付近で千葉県立中央博物館監修「カエルのきもち」(晶文社出版)を読了。すばらしい本だ。なぜ基盤整備された田んぼでアマガエルばかり見かけるのかがわかった。指先に吸盤がないカエルはU字溝の壁をはい上がることができないからなのだ。機械を入れるためだけだったら,四角い田んぼにする必要はあっても,U字溝を通して乾田化させる必要はないだろうから,この現象の原因はやはり減反政策にあるといっていいように思う。最近,トウキョウダルマガエルを見ないのはとても寂しい。分布地図によると長野ではトノサマガエルとトウキョウダルマガエルを両方見られそうなのだが,市内では乾田ばかりだから,いなくなってしまったのだろうなあ。


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