枕草子 (My Favorite Things)

【第418回】 徹夜の後遺症(2000年10月31日)

昨日は,まったく暇がなかった。久々にほぼ徹夜だったし。ミーティングは,レンディーレの子どもの生体計測結果で,長男を別にすれば女の子の方が男の子より栄養状態がよいらしいという話と,サンパウロ近くの子どもの生体計測によって低身長から慢性の低栄養と判断された子どもと,Weight for Heightをマッチングして選んだ対照群について,Indirect Calorimetoryで食後のエネルギー消費と呼吸商を比べた結果,慢性の低栄養の子どもの方が脂肪が消費されにくくなっていて,肥満のハイリスクグループになっている,という話。前者は焦点がわかりづらい論文で,後者は慢性の低栄養と判断する根拠が低身長だけなのが弱い。親の身長に統計的に差がないとはいえ,平均値は低身長群の方が低めだし,低身長とするカットオフがHeight for AgeのZスコアがマイナス1.5以下とするのがやや恣意的ではないかと感じた。それぞれ面白そうなポイントはあるから載ったんだろう,という程度の論文だった。

f(x)=1.01155-exp((-0.0002*(r^(x-12)-1)*ln(r)))という式(不妊割合が年齢xにつれて増加する関数)で所与のxについて特定のf(x)を得るためのrを計算する必要が生じ,数式処理ソフトを探したところ,MuPADというソフトのLight版1.42というのが,教育機関ユーザ個人利用ならフリーで使えるWindowsソフトだった(ちなみにMac版とかSunOS版はLightでなくてもフリー版がある)ので,使ってみた。x=7くらいなら解けたのだが,x=43とかだとオーバーフローしてしまうので,(r^31-1)ln(r)に適当なrを代入して,定数項の計算値に近い値が得られるところを探し,何とか1.428という解を見つけた。が,こういう探索だったら,ずっと前から使っているEulerfplot("1.01155-exp((-0.0002*(r^(x-12)-1)*log(r)))",12,50)を,rを変えていろいろやって,グラフで探索した方が早かったかもしれない。数式を解く機能はないと思うが,Eulerも軽くて機能豊富な素晴らしいフリーソフトである。Mathematicaがあったら元の式をrについて解いてくれるくらいの芸当ができたかもしれないが,あんなに高いソフトを使わなくても次善の解決策はあるものだ。世の中工夫次第で金をかけなくても相当なことができるようになっているのは,フリーソフトウェアのコミュニティが存在するおかげだ。自分も何かで貢献しなくてはと思うが,たいしたコードは書いてないしなあ。

帰りは21:30発あさま535号だったが,軽井沢まで熟睡。今朝は徹夜の後遺症で寝坊したので,あさま506号。停車駅が上田,佐久平,大宮,上野しかないので,乗っている時間が短く,効率がよい。

今日も16:00近くまで,萩原君の博士論文の最終チェックをしたが,その甲斐あって,無事に提出できたらしい。まずはよかった。もうちょっとvalidationをした方がいいような気もするが,シミュレーションと実際のデータがかなり一致するといえそうなところまで持ってこられたから,最低限は満たしたと言ってよいだろう。

その後昼食を食べてきたが,今度は自分の論文の直しである。これも本当は今日が締め切りなので,この進捗度では霞ヶ関方面に顔向けできないのだが,1日くらいなら待ってもらえるだろう。などと思っていたところ,メールで,別件で頼まれていたグラフはどうなったの? という催促がやってきたので,そちらも急がねばならない。ああ,自分が2人欲しい。

帰りは終電。人口学会に投稿した論文を直していたら,脱落があったことに気がついた。対数正規分布は年齢推計の精度に問題があってやめたんだったが,その式だけが残った形で,しかも誤植まであったものを投稿していた。本質的ではない部分であるものの,査読者には大変失礼なことをしてしまったことになり,申し訳なかった。急いでいたからというのは言い訳にはならないが,ちゃんと直して説明も追加するということでお許しいただければ幸いである。


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