枕草子 (My Favorite Things)

【第428回】 疲れがとれた週末(2000年11月13日)

土曜日,娘を保育園に迎えに行ったら,またモルモットを抱きたいという。まだ時間が早いからどこかに寄って時間を潰さなくちゃね,と言ったら,じゃあ,ひまわり公園で自転車に乗りたい,という返事が間髪をおかず返ってきたので,ひまわり公園へ。娘が補助輪つきの自転車を借りて乗り回す間,どんぐりを拾ったら,ポケットいっぱいになってしまった。シラカシか何かだと思うが,これからがまさに収穫期かと思う(まあシラカシのドングリを収穫しても灰汁抜きして食べるのも大変だし,工作の材料くらいにしか使いにくいが)。その後,動物園に行ったら,残念なことに既に冬期休暇に入ったとかでモルモットは抱けなかったが,サル山のニホンザルをしばらく観察して楽しんだ。日が陰ると相当に寒いせいか,娘が早々に帰ろうと言いだし,ジャスコに寄って餃子の材料を買い込んで帰った。

土曜の夜は頂き物のカボチャ料理があったので,餃子は日曜に作ることになった。日曜は靴洗いとか汚れのひどい子どものズボンの揉み洗いとか,届いたCD&ビデオテープラックの組立てとかをトロトロしながら昼間が終わり,晩ご飯として餃子を作って食べ(娘はあまり食べなかったが,息子が10個ほど食べたので,まあ悪くない味だったのだろう),娘を風呂に入れた後,民族衛生学会国際シンポジウムの準備と人口学研究の新刊短評を書くためにさあでかけるかと思ったのだが,娘が行くなというので,じゃあ明日始発で行くけどいいねということで妥協して21:00には全員就寝した。

そういうわけで3:30に起きて民族衛生国際シンポの準備を含むマラリア関係の仕事を5:00までしてから朝食をとり,自転車に乗ってまだ真っ暗(東の空の雲間がほんの少しだけ明るみかけたかなという程度)な道を走り,長野駅に着いたのは5:53だった。で,始発の2号車に乗っているところである。あまりこれといったことはできなかったが,疲れがとれた週末だった。こんなのもたまにはいい。

8:00に研究室に着き,午前中はマラリア関係の仕事を継続しながら文献をダウンロードしてプリントしたりして終わった。

昼過ぎに,履歴書の締め切りが今日だったことに気づいて慌てて仕上げた。その直後ミーティングとなり,砒素の毒性に関する動物実験の報告2本を聞いた後,マラリア関係の仕事を継続した。今日はかなり仕事が捗ったような気がするのは,疲れがとれているからだろう。帰りは終電1本前。

上野から座れたので,「東京湾の環境問題史」を読み進める。この本は,東京湾に限らず日本における環境保全運動の歴史の一局面を,豊富なデータを引用しながら鮮やかに描き出すことに成功していると思うけれど,「人口学研究」の新刊短評には向かないような気がする。なにせ,第4章で高度経済成長期に東京への人口一極集中が進んだという話に触れられているのを除けば,ほとんど人口への言及がないのだから。いや,もちろん干潟の埋め立てが進んだ背景には都市化と人口増加と経済成長があったわけだし,それを踏まえていないわけではないのだが,むしろ本書は環境保全運動の生々しい側面に当事者として深く踏み込んでいる点に特徴があり,その分マクロな視点は薄くなっていると思う。「人口学研究」向けに短評するとなるとどう書けばいいのかわからないのだ。まあ一応最後まで読んでからお伺いを立てることにしよう。


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