枕草子 (My Favorite Things)

【第582回】 戸隠往還(2001年7月8日)

Kuma-sugi trees

天気が良かったので,戸隠に行ってきた。おにぎりを8個作って,冷たい麦茶を1.5リットル用意して,長野電鉄に乗り込んだ。10:33に長野駅前を出るバスに乗り,ぐにゃぐにゃとバードラインを上って,戸隠森林植物園に着いたのは,11:40頃だった。空気が冷たくて,気持ちよかった。

さまざまな植物と,昆虫やオタマジャクシを見ながら,ゆっくりと森林植物園の中を進んだ。途中で弁当を食べた。冷たく澄んだ空気が食欲をそそるのか,子どもたちもおにぎりをぺロッと平らげた。さらに暫く歩くと,奥社への途中にある,屋根が草で彩られた門についた。まるで羅生門かというような怪しげな雰囲気を漂わせているが,そこから奥社に続く道の両側に生えているクマスギの並木道(右写真)の荘厳さには目を奪われた。が,子どもたちにはそれほどインパクトはなかったらしく,そのそばにあった川での遊びの方が楽しかったらしい。

Togakushi Chu-sya

その後ゆるゆると道を降りて中社(左写真)まで約2時間のハイキングを楽しんだ。このハイキングルートは,実は善光寺裏にある城山公園までつながっていて全長19.6 kmに及ぶ,と案内図に書かれていた。息子の小学校では,4年だか5年だかになると飯綱登山といってこのルートを途中まで登る行事があるのだそうだ。思ったよりも近いのだなあ。これは是非自転車でチャレンジしてみなくてはなるまい。中社についてお参りしたあと,汗を流すために神告げ温泉を目指した。ここの入浴料は大人600円,子ども300円である。実に素直な泉質で,温度も高すぎず低すぎず,ちょうど良く,久々に温泉を堪能した。

温泉から出た後,中社近くのうまいと評判の蕎麦屋に入ろうと思ったら,売り切れて閉店した直後だった。残念だが仕方がないので,そのはす向かいにある蕎麦屋「極意」に入った。ここもなかなか美味だった。ぼくはキノコかき揚げ天ざるそば(?)とかいうものを食べたのだが,キノコと蕎麦の絶妙のハーモニーといえようか。豆腐に金山時味噌をのせてショウガを合えたものと,ワラビと思われる山菜の煮付けが添えられていたのも良かった。しかし,注文を決めるまでの間にお茶と一緒にでてきた蕎麦かりんとうが美味だったので,思わず土産に買ってしまったのは,店の戦略にはまったような気がしないでもない。まあ美味だったからいいのだけれど。

17:40に中社を出るバスで長野駅に出て,長野電鉄に乗り継いで家に着いたのは19:15頃だった。多少疲れたが,なんと充実した休日だったことか。これだから長野暮らしは素晴らしいのだよなあ。



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