枕草子 (My Favorite Things)

【第730回】 暖房について(2001年12月8日)

土曜日,娘を保育園に送ってきてから,一昨日の講義のフォローと来週の講義準備をしているのだが,寒いので,先日通販で買ったデロンギのヒーターを梱包から取り出してセッティングした。去年はコタツとセラミックヒータで冬を越したのだが,長野の寒さにそれだけで耐えるのは辛い上に,今年は娘の肌の調子が悪くて,空気が乾燥するのは良くないと思われたので,ストーブにあたったりコタツに潜り込むより肌にやさしいと思われるオイルヒーターを買ったというわけである。今つけたばかりだが,まったくといっていいほど無音だし,たしかに柔らかな暖気であるような気がする。たんに気のせいかもしれないが。

昨日も書いたが,研究室では暖房が要らない。コンピュータの発熱も,基本的にCPUの発する熱をファンで排気し,その温風が直接当たるのではなくて部屋全体を間接的に暖めているので,デロンギと同じで,部屋の空気を汚さない暖房といってよかろう。廃熱を有効利用しているともいえるが,その関係が成立するのが冬だけなのが弱点だ。夏は熱暴走の恐怖と戦いつつ,微調整のきかないクーラーをつけて仕事をせざるを得ない。そう考えると,やはりコンピュータも低消費電力で低発熱型であるべきなのだろう。あたりまえか。

矛盾しているかもしれないが,実は,ぼくが一番好きな暖房は焚き火である。中学生の頃よく夜釣りに行った多摩川の河川敷で焚き火にあたって暖をとったことを思い出さすたびに,懐かしい気持ちで一杯になる。パプアニューギニアやソロモン諸島の調査地でも,早朝に目が覚めてしまって肌寒いときなどに,居候させてもらっている家の世帯主の奥さんが焚き火を起こしているところを見つけると嬉しくなってあたっていた。東京ではなかなか焚き火を出来る場所がないが,長野の小学校や保育園は焼き芋大会があるし,正月にはどんど焼きもあるので,子どもたちが焚き火を経験できるのはいいことだと思う。だから,本当は家の中に囲炉裏があるといいのだが,鉄筋コンクリート建築でそんなことをしたら煙がこもるし酸欠になりそうだし,諦めざるをえないのが悲しい。

夕方から子どもたちとテレビを見ていたのだが,ふと気が向いてオオクワガタの蛹が入っているはずの瓶をみたら,既に羽化していた。メスだった。北側の部屋に置いていたので,ヒーターの暖気は伝わらない筈なのだが,こんな時期に羽化することもあるのだろうか? 羽がまだ白っぽかったから,まだ羽化してからあまり時間が経っていないと思われた。本によると,オオクワガタは羽化してからも2ヶ月くらいは蛹室の中でじっとしているということだったが,今度はいつ外に出ようとするのかが問題だ。遠からずオオクワガタ用の水槽を用意してやらねばなるまい。


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