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1997年夏・ギデラの健康と栄養

Copyright (C) Minato NAKAZAWA, 2017. Last Update on 2017年3月17日 (金) at 03:08:13.

【8】 教会のお祭り(1997年8月14日木曜)

今夜はChurch Anniversaryがあるというので,昼から皆浮かれている。まずはPEAWAの人たちがChurchに入る。意外に整然と行進していた。昼下がり,遠くで歓声があがった。何かと思ったらヒクイドリ(Cassowary)が獲れたという知らせだった。昨夜から猟に出ていた若者たちの獲物である。ブタも獲れたらしい。早速写真を撮る。夕方,パーティが始まった。稲岡さんとぼくは「子ども及びビジター」というカテゴリに分けられてパーティ用の食堂に案内され,料理と甘いミロをいただいた。料理はバナナとキャッサバと豚肉とライスで,なかなかのものだった。

18:30,日が暮れていよいよダンス本番となり,順番にダンスが披露されていった。稲岡さんもぼくも,まさかあんな事件が起こるとは思いもせず,ダンス見物を楽しんでいたのだった。20:30頃だっただろうか,突然の悲鳴でダンスが止まった。反射的に悲鳴の方をみた。はじめは人々がばらばらと動いているのしかわからなかったが,どうも誰かから逃げ惑っているらしい。我々の隣にいた村人に何が起こったのか聞いてみると,「わからんが危険そうだから家で待て」という。そのうち「ギリ(大きなブッシュナイフ)だ」という声とともに完全にダンス会場はパニック状態に陥った。ともかく稲岡さんとともに家の方に逃げることにした。途中,誰かが「こっちだ」というのでついていくと,少年が倒れていた。頭の後ろがぱっくりと割れて血が流れている。ぴくりともしない彼を村人が心配そうに囲んでいる。しかしそこにとどまっていることはできなかった。加害者が刃物を振り回しながら戻ってきたという声が聞こえたからだ。我々は被害者をそこに残して家に逃げ帰った。部屋に入ってしばらく待っていたら,R氏の妻のMさんが様子を教えてくれた。なんでも,マリファナとビールでラリった少年二人が喧嘩になって,一方がギリを振り上げ,もう一方が逃げようとして後ろを向いたところを切ったという話だった。血を見て逆上した加害者少年が村中を暴れまわっているらしい。例によってビールでなくてココナツジュースで作った密造酒だとかいろいろな噂が飛んだ。被害者の少年をダルーの病院に運ばねばならないのだが,興奮している酔っ払いが恐いのでエンジンは貸したくないとR氏が言う。結局R氏のエンジンを使ってL氏の運転で病院に運ばれ,命だけはとりとめたようだ。

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