環境問題に関心をもつ人は多いと思いますが,では実際の生活の場面において,環境問題解決に貢献するような方向で意思決定をしているかどうかと考えると,必ずしもそうではないように思われます。常に意識していないと,人は易きに流れるものです。しかし,意識するといっても,ペットボトルのリサイクルが本当に資源やエネルギーの節約になるのか,といった点については専門家の間でも論争があったりして,「こうすればいいんだ」という指針は明確ではないのが現状です。
「市民のための環境学ガイド 時事編」の安井至さんが研究代表者を勤めた文部省科学研究費「人間-地球系」の成果の1つである,高月紘(編著)「自分の暮らしがわかるエコロジー・テスト:環境問題は生活のエコ度チェックから」(講談社ブルーバックス)は(個人的には「エコロジー・テスト」とか「エコ度」とかいうネーミングセンスが気に入らないのですが),ある程度妥当な評価尺度を提供するものだと思いました(評点の重み付けには,環境研のコンパラティブ・リスクアセスメントの結果を使っているとのことです)。著者たちは,これを「エコポイント・チェック」と呼んでいます。なお,ここで取り上げた項目が最適なものだとは著者自身も考えてはいなくて,随時見直しをすべきだと書かれています(それを受けて青空MLの有志に呼びかけ,見直しをする試みを始めました)。
著者に無断ではありますが(連絡先が書かれていないため),誰でも気軽にできるようにCGI化してみたのが,このページです。以下の表に正しくチェックして,「テスト実行」と書かれたボタンをクリックすれば,エコポイント総合点が99.8点満点(計算上の丸め誤差のため),温暖化問題エコポイント,廃棄物問題エコポイント,水質汚染問題エコポイント,大気汚染問題エコポイント,有害化学物質問題エコポイントが,それぞれ100点満点で表示されます。本によれば,若い層を中心とした対象者356人の平均が42.6,環境問題の講演を聞きに来た人たち182人の平均が48.1だそうです。著者の主張としては,環境にやさしい人としては60点以上必要で,30点以下だったら環境面ではかなり問題のあるライフスタイルなのだそうです。低い場合は,どの行動パタンにとくに問題があるのかをチェックすることを,著者は勧めています。どうぞお試しください。
なお年齢,性別,同居人の人数については,将来,このCGIをご利用になった方の平均などを集計してこのページでご報告する際に,層別変数として使用する目的でお尋ねしています。それ以外の目的で利用することはありませんので,正しくお答えくださいますよう,お願い申し上げます。