枕草子 (My Favorite Things)

【第51回】 人口学関連(1998年8月4日)

今日も暑い朝である。7月29日に「簡単だ」と書いたCGIを昨日1日で作ったので,人口学文献検索のページ(より正しくは,日本人口学会会員業績検索のページ)として公開した。データがまだ1年分しか入っていないので去年の分をこれから加工せねばならないが,今日中には完成するであろう。

それはそうと,Leonid A. GAVRILOV and Natalia S. GAVRILOVA (1991) The Biology of Life Span: A Quantitative Approach, Harwood Academic Publishers, Chur.である。これは凄い本だ。なにせ,全生物の寿命を通観して,生物学的に寿命がどういうメカニズムで決まってくるかを探ろうという壮大な試みである。著者は旧ソ連(モスクワだったからたぶん現ロシア)の人たちである。蚊の出産回数の研究を知ったときにも思ったが,旧ソ連の科学ってのは,目の付けどころが違うよな。中でも感心しているのが,第6章の数学モデルである。個人レベルの死亡リスクがちょっとずつ蓄積し,あるとき雪崩のように崩壊して死ぬ,という定式化は,思いつきそうで思いつかないものである。

実は,シミュレーション人口学の原稿を書いているときに,死亡の数学モデルを読みあさっていて,この「雪崩モデル」にぶちあたり,元文献であるこれを注文していたのだ。注文とはいっても,books.comamazon.comのような大型インターネット書店でも品薄かつ$119.95とか$160とかいう高価なものなので,図書館への借り入れ注文である。どういうわけか東大にはないので,国立大学間相互貸借で福井医大附属図書館から借りたのである。私費で借りたので,返すときに切手で送料を払わねばならないが,約2週間借りられるのは便利である。しかし手近に欲しいので,今度図書館に希望を出しておこう。

最近はいちいち書いていないけれど,結構頻繁にWEBページの更新をしている。8月に入ってからの日本語のページだけでも,コンピュータ関連(Dolphin Kickの紹介文更新と統合アーカイバプロジェクトの紹介追加),個人情報のページ(所属学会・研究会へのリンクを追加)と,上に書いた人口学関係の更新・追加をしている。書評掲示板にも昨日2冊追加したが,コメントがつかないのがちょっと寂しかったりする今日この頃である。


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