書かなかったが，２日前におにぎりを食べていたら突然歯が欠けたのだった。右上の犬歯の右隣の歯の裏側で，痛みもなく大して不都合はないのだが，どうせ虫歯が進んでいるに違いないので治療しようと思ったのだ。昨日は休日だったので，今朝，東大病院に行ったというわけだ。この程度のことで紹介状もなく東大病院に行くと，1575円の「紹介なし負担額」が徴収される（しかも保険適用外である）のだが，３年半ほど前に親不知を４本とも東大病院で抜いてもらったことと，下の歯に異常がある歯があることと，何より近くて通うのに便利なことから，東大病院に行ったのだ。ちなみに，下の歯の異常とは，高校１年生のときに議論していた友人から突然殴られて歯が２本飛んでしまい，１時間後くらいに行った歯科医曰く「駄目もとで差しておくけど，たぶん神経が駄目だから10年くらいで落ちるよ」という状況のもの。その後19年になるが今のところ付いたままである。
８時20分頃受付に着いて順番待ち10分，受付手続き完了したのが９時頃だったか。歯科口腔外科・矯正歯科の待合室で「野生の国の獣医」を読みながら待っていると（読み終わったら書評掲示板に書こうと思うが，この本は面白い。待ち時間があると思って持っていって正解だった），20分ほどで渡されたポケベルが鳴り出し，診療室に入る。東大病院の中はきっとすごい量の電波が飛び交っているんだろうが，ポケベルで順番を知らせるのはなかなか良いシステムだと思う。音が大きいので，読書に没頭していても大丈夫なのだ。診察室に入ると医師が二人いて，症状を説明するが，どうも３年半前のカルテがすぐには見つからない？ ようなことを仰る。せっかく以前からの診察カードを持ってきて，それで照合しているのだから，以前のカルテくらいコンピュータ画面に瞬時に呼び出せるシステムになっていて欲しいものである。東大病院の医療情報管理システムもまだまだだなぁ（偉そうに書いているが，セキュリティと利便性の両立が難しいのであろうことは想像に難くないので，ぼくにやれと言われてもできなくて，これは患者側からの勝手な要望なのだが）。
以前の診療のときにパノラマを撮っているのでパノラマは必要なかったのだろう。しかし下の２本の歯の現況を見るために１階まで行ってＸ線写真を撮られ，上の欠けた歯の様子を見るために４階の歯科口腔外科のＸ線設備でもう一枚撮られた。それでほぼ20分かかった。４階のは，よくある小さいフィルムを右上の歯の裏側にあてて左手の人差し指で押さえ，医師が機械を操作して撮るタイプだったが，１階のは，円筒形の白いものに上下の歯で噛むような深緑色のホルダがついたものを噛んで顎をあげ，円筒形の中にＸ線を出す装置の先を突っ込んで撮るもので，初めて経験するタイプだった。もちろん操作するのも，専門の人（放射線技師？）らしかった。被爆量はどれくらいなのだろうか？ まあパノラマに比べたら微々たるものだとは思うが，若干気になった。しかし，出来上がった写真は，大きく鮮明で，根がはっきりと写っていた。技術の進歩はすごいものである。おかげで３年前に撮ったパノラマでは下の飛んだ歯は２本とも根が駄目に見えたのだが，１本は完全に死んでいて骨にくっついているけれどももう１本はそうでもないことがわかった（もっとも，炎症を起こしていて根管治療が必要だそうだ）。骨に吸収された場合と根管治療をした場合とでどちらが歯が長持ちするのか確認したかったが，ここまででもさんざん質問をしていて，医師が嫌そうな顔をしていたので次回に回すことにした。実診療時間は20分くらいだったろうか，一人の患者にかける時間としては十分に時間はかけてくれていると思う。上の欠けた歯については，ほとんど根が見えないから萎縮しているのだろうが根管治療をしようということで，欠けた部分については何もいわれないまま，「では，今日はこれでお帰りになって結構です」と仰るので，「あの，欠けたところは気にせず食事とかしていいんですか？」と聞いてしまった。「いいけど次回から根管治療しますよ」という返事だったが，患者としては治療していただくことは既に聞いてわかっているので，「使ってもよけいに欠けて酷くなる心配はないのか？」という意図の質問であると受け取って欲しかった。一時的なカバーとかもあるだろうに，する必要はないということなのだろうか？ それとも欠け方がきれいなのか？ 自分では見えないので，その辺を明確に教えて欲しいと思った。忙しいところ質問に答えていただいて，全般的には満足しているのだが。