枕草子 (My Favorite Things)
【第234回】 査読をしながら世の中に憤慨する(2000年2月1日)
- 昨日の夕刊によると,飯山や大町では雪だったらしいが,長野市は今朝も快晴である。目が覚めたら6:00だったので,7:02発あさまに乗った。今日の混み方は普通。昨日の大混雑はなんだったんだろう?
- 今日は一日中,修論の査読の予定。100ページの力作を読むのは疲れる。
- 今国会で野党が審議をボイコットしているのは,選挙民の代表者としての仕事を怠けているという側面だけみればとんでもないことだが,昨夏の与党ごり押し多数決で相当な無力感を感じたに違いないという経緯を考えれば,理解できなくもない。そもそも,主権者たる国民によって,国会による立法に大きな権限が付与されているのは,国民の代表者たる国会議員によって実質的な審議がなされ,多くの人が納得するような合意形成を経て立法がなされることを前提としている筈である。多くの議員が自分の判断ではなく,党の判断に従って投票するという現状が変わらないなら,多数派となった与党による強行採決が可能になってしまった時点で,合意形成がすっとばされて,すべてが茶番になってしまうのは目に見えていた。この国には,それに歯止めをかける制度がないのだ(憲法違反ということで最高裁に訴えるとかできないのだろうか? それとも誰かやっている?)。では,この問題の解決のためには,どうすればよいだろうか? 一案としては,過半数で意思決定がなされることをやめればよいと思う。全会一致というのは無理にしても,たとえば,全党派一致を立法の原則にすれば,審議に熱が入ることであろうし,無茶な立法はなされなくなるだろう。緊急に必要な重要な法案があったとしても,いや,重要だからこそ,せめて全党派一致するくらいの合意形成努力は必要ではないだろうか。民主主義の原則は多数決だけではなくて,少数意見の尊重というのが必須である筈だ。少数意見の尊重を制度として確保するためには,全党派一致というのは妙案だと思うのだが,如何なものだろうか?
- 国会を,専門家がきちんとディベートする場として機能させて欲しい。多人数の会議で一から論議するのは非効率だからという理由で,まず少人数のワーキンググループで叩き台を作ってから本会議に持ち上げるというのは常套手段であり,国会にもいろいろな委員会があるわけだが,このやり方は,往々にして本会議を認証機能しかもたない形骸化したものにするので両刃の剣である。たとえ効率が悪くても,法案についての審議は一からディベートして欲しいのである。
- もう一つ思うことは,相変わらず「景気回復のため」という言葉が免罪符として使われるばかばかしさである。野党が解散総選挙を求めているのに対して,政府与党の誰かが,この景気が厳しい時期に政治空白を作ることはできない,とかいうわけのわからない言い訳をしていたが,多数派であるうちにいろいろ立法を通しておきたいとか,いま選挙をすると自自公が負けそうだとかいう本音が見え隠れするのを別にしても,従来型の選挙をすると金が動くので,むしろ景気はよくなる筈だから,これはまったく無意味な言明である。
- Pontoonを眺めていたら,石井至「正しいお受験」(幻冬社)なる本をが目についた。本の中身には興味ないのだが,著者が,学部・大学院の同級生ではないかと思ったのである。フローラ上野でその本を手にとり,著者紹介を見たら,やはりその通りだった。成人保健学教室で修論を書いたあと,金融コンサルタントとして活躍しているのは知っていたが,あの幻冬社から本を出すとは,大したものだなあ,と感心した。買わなかったけど。
- Nature Neuroscienceの2月号に,うま味の受容体が見つかったという論文が載っているが,これはラベルドライン説を補強するのだろうか? なお,Nature Neuroscience1月号は,国内の希望者に先着順でサンプルとして無料送付してくれるそうだ。2月号だったら応募するんだけど。
- 昨日味の素に行ったついでにソニー秋葉原SS(無駄足をふんだ後,WEBで移転先を調べてみたら,京橋に行く途中にあったのだ)に出しておいた,Walkman(WM-DC2)の修理がもう終わったというメールが届いた。早いなあ。
- 帰宅直前にちょっと終電までの時間が空いてしまったので,sv2号のWEBサーバソフト,apacheを1.3.6から1.3.11にバージョンアップした。この2つの間では同じ設定ファイルが使えるので,この移行は簡単で,15分程度で完了した。
- 今日の終電では,珍しく上野から座れた。
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