枕草子 (My Favorite Things)
【第243回】 二分法(2000年2月14日)
- 二分法は頭の中に存在する。二分できると理解できたような気になる,という妙な癖が,脳には存在するようである。正確に言えば,自然現象に対置を見て取ることと,対置を二分と思いこむことが,脳の癖だと思う。
- しかし,二分と対置は異なる。対置は「その他」の存在を前提にしているが,二分はその存在を許さない。オン・オフの論理と考えてみれば,処理は高速だがフィードバックする回路をもたない限りたんなるリレーになってしまうような気がする。過半数=オンという単純な論理の成立基盤かも。
- ついでにいうと,我々の脳は,何も考えずに生きるようにはできていない。生きる意味やら自分やら科学やら進歩やらを考えずには充足感を感じられないように大容量化かつ高速化してしまったのだ。とくに進歩というミームは,ある意味では病気である。進歩しなければ退歩する,尻窄みになってしまう,と考えるのが二分法で,停滞とネガティブに捉えることもできれば,安定とポジティブに捉えることもできる。
- 脳が物欲を感じる仕組みは,脳内の理想モデルが情報入力によって先に更新されるので,認知されるものがそれに近づくと快を感じるというのが最もピュアな形であろう。虚栄心などは別にしても,アウトプットの区別がつかない癖に高機能なオーディオやデジカメやコンピュータが欲しくなるのは,つまりはそういうことではなかろうか? あらゆる欲は脳優位であることが原因で生じる,なんて当たり前かもしれんが。
- 以上,思いつくままに書いてみたが,落書きと思って気にしないでください>読者諸氏。
- 今朝は目が覚めたら6:13だったので,2番に乗るのには自転車を飛ばさねばならなかったが,信号待ちも最小限だったので6:35には長野駅に到着した。着替えている1分くらいの間に超高速で妻が作ってくれた弁当をあさま号の中で食べるのもなかなか風情があってよいものである。とはいえ,明日も寝坊すると困るので(明日は9:00から査読を担当した発表があるし),今夜は大学に泊まるつもり。
- まじめに聞いていると,どうしてもつっこみを入れたくなってしまう。だいぶ我慢したのだが,我慢しきれずにフロアからと手を挙げてコメントしてしまったのが,午前中だけで2題もあった。午後も2題だったか。
- カフェホンで煮込みハンバーグの夕食をとった。会計のときにチョコレートのサービスとは粋だね。戻ってみたら終電の時刻を過ぎていたので予定通り研究室泊まり。半端な時間があったので,書評掲示板に何編か追加。
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