枕草子 (My Favorite Things)
【第287回】 説得力(2000年4月26日)
- 昨夜の帰りが遅くなった原因は,futureにsendmail-8.10.1をインストールしようとしたことだった。sendmailは,8.9系から8.10系になったときに設定の仕方が大きく変わり,/etc/sendmail.cfではなくて/etc/mailディレクトリに複数の設定ファイルを作るようになったのである。CFがまだ対応していないし,大分悪戦苦闘したが,昨夜は諦めて帰ったのだった。当面,8.9.3でもセキュリティ的には許されるようなので,8.9.3にしようと思っている。もっとも,futureとsv2の昨夜のログを見ると,フランス(hannah.u-strasbg.fr)とスウェーデン(indigo.chem.umu.se)からアタックと思われる妙なアクセスが来ているので,セキュリティには気を付けねばならない。
- 今日の公務は,15:00から2時間,未来開拓のミーティング,その後6階の電源工事のための停電があるので6階のサーバのシャットダウンと再起動,17:30からは国際保健学専攻の新入生歓迎会があるから,15:00までしか自分の時間はないということだ。
- 終電で帰っても,疲れていなければ5:20には起きられる。朝風呂に入って髭を剃ったので始発というわけには行かず,6:43発あさま502号に乗っている。
- 昨日から今日にかけて,説得力がない事例がいくつかあったのでメモしておく。
- その1。清水環境庁長官がデポジット法についての答弁で消費者の受け入れを調査して云々といっていたが,首相答弁でもなく通産大臣の答弁でもなく厚生大臣の答弁でもないということを考えれば,説得力がゼロである。少なくとも公人が,立場に基づいた発言を求められたら,それに即して発言しなければ駄目だ。デポジット法であれば,環境負荷という面からどうなのか,とくにLCAからみてどういう利点がありどういう欠点があるのかを考え,推進すべきであるとかこういう問題点があるとか指摘しなくてはいけないと思う。できないならその不勉強は猛省すべきだろう。消費者の受け入れがどうかなんてことは通産大臣にでも投げればいいことであって,しかもそれを調査して云々といってお茶を濁してはいけない。
- その2。最近の科学MLを読んでいて感じたこと。俗説批判をするのに,俗説によくある決めつけ型発言をしては説得力がない。一般化していえば,論理的一貫性がないと説得力がないということだ。もっとも,論理的一貫性を重視しすぎるとインパクトのない発言になってしまい,科学者にとっては厳密で説得力があっても,一般の人からは「何を言いたいのかわからない」あるいは「あたりまえじゃん」ということにもなりかねず,両刃の剣かもしれない。
- その3。信濃毎日新聞の昨日の夕刊に載っていた記事によると,「コペルニクス」という市民団体が長野市内の夜間照明をチェックして廻ったところ,明るすぎてエネルギーの無駄を感じた,ということだが,自動車で廻ってたんでは説得力がない。自分のことは棚に上げて置いて,同じ側面で他人を批判しているわけだから,駄目なのは明白と思う。自転車で廻れば,他にもいろいろな問題に気づくことができ,エネルギー面でもこういうつっこみを受けることがなくて一石二鳥だろうに。
- そんなわけで,立場を弁え,論理的一貫性をもち,まず自分の襟を正してから発言するように心がけてはいるのだが,正しければ通るというわけではないのが人の世のならいだというのも,また確かである。そう考えると,説得力というのも難しいのだよな。しかし,説得されずに(納得がいかないのに)通されたこと,というのは(たとえ無意識にせよ)不満が溜まる源と思う。田沼の濁りが恋しいと嘆くほどの白河の清さには憧れるなあ。
- 物欲。DataSlim2。PDAというのは,この程度の大きさにならないと,サブノートと併用する意味がなくなる。ChipCardやChipCard200は,遅すぎたり空気亜鉛電池の保ちが悪かったり液晶表示が不安定だったりで,今ひとつ使い物にならなかったのだが,DataSlim2はどうだろうか。
▼前【286】(交付申請書提出(2000年4月24日-25日)
) ▲次【288】(転居のドタバタ騒ぎ(2000年4月27日〜28日)
) ●枕草子トップへ