枕草子 (My Favorite Things)
【第356回】 原稿終わって日は暮れて(2000年8月3日)
- 往路は6:43発あさま502号。上野の直前まで熟睡。
- 昼飯も食べずに17:25までかかって,やっと懸案の小集団人口学の原稿を脱稿。なんか,ニューズレターに初出にしてしまってはもったいないような。もうちょっと膨らませて,レビュー論文としてどこかに投稿したいなあ。
- これから食事というのも妙なので,コンビニのおにぎりくらいで済ませようと思う。もうほとんど日も暮れてるし。
- ところで,今日目次がメールで配送されてきた8月1日号のProNASには刺激的な論文が多かった。列挙しておこう。
- Skyrms B, Pemantle R (2000) A dynamic model of social network formation. PNAS 97(16): 9340-6.
- Swenson W, Wilson DS, Elias R (2000) Artificial ecosystem selection. PNAS 97(16): 9110-4.
- Haan KM, Longnecker R (2000) Coreceptor restriction within the HLA-DQ locus for Epstein-Barr virus infection. PNAS 97(16): 9252-7.
- Hay SI, Myers MF, Burke DS, Vaughn DW, Endy T, Ananda N, Shanks GD, Snow RW, Rogers DJ (2000) Etiology of interepidemic periods of mosquito-borne disease. PNAS 97(16): 9335-9.
- とくに最後のやつは,SEIRモデルを使って,蚊が媒介する感染症がなぜ流行と沈静を繰り返すのか,沈静している間は寄生体はどうなっているのか,が内在的人口変動で最節約的に説明できるとした国際共同研究で面白そうだ。夏休み明けのミーティングネタにしようか。
- 復路は21:30発あさま535号。1号車はがら空き。喜多嶋隆「天使のリール」(中公文庫)を読了。アタッカーとしての心構えが語られているし,情景描写は生き生きしているし,すばらしい釣り文学だと思ったんだけど,1つだけ妙な設定がある。何で主人公は葉山からわざわざ青学の英文科に通ってるのかということ。別に英文学が好きなんじゃなくて,英会話したいだけみたいだし,これだけ本質主義の人だったら,そう,例えば藤沢あたりの英語専門学校へでも行くんじゃないだろうか? うーん,ICUだったら,まだちょっとわかるんだけど……と思っていたら,文庫版あとがきで作者が語るところによれば,妹にしたい女性の理想像を詰め込んだんだそうだ。駄目だよなあ,そういう趣味に走っちゃ。だって矛盾してるじゃん(とはいえ,続編があったら読みたい作品ではあった)。
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