枕草子 (My Favorite Things)
【第366回】 20分間(2000年8月18日;21日一部訂正)
- 今朝も往路はあさま2号。洗い物をして味噌汁をつくってから妻と娘を起こして食事をして,ゴミ出しをして7:30に家を出た。あさま2号は7:50発なので,猶予が20分間というわけ。信号待ちが3ヶ所,踏切待ちが1ヶ所あったけれど,往路は下り坂なので,7:45には自転車を東口駐輪場に停めることができた。駐輪場からホームまでは約2分。余裕である。
- 20分間という時間は,自転車を漕いでいるとあっという間である。観光散歩でもあっという間だが,移動目的で歩いていると結構長く感じる。一般性があるかどうかは知らないが,退屈だと長く感じるのではないだろうか。その証拠に試験監督をしているときの20分間は途方もなく長く感じる。反対に,すごく楽しいことをしているときは時間が経つのは一瞬だ。朝から論文を書き始めて,ふと気がついたら辺りが真っ暗でびっくりしたことがあったっけ。
- じゃあ,今度は物理的な時間としての(ん? 時間の原器ってあったっけ?
ああ,水晶の発振かセシウム133の壊変速度だよなあ,恥ずかしい間違いだ)20分間で何ができるか考えてみよう。4倍速書き込みのCD-Rドライブで音楽CDを1枚バックアップできる。英語の論文のabstractだったら2つくらい読めるかな。「R.O.D.」とかいう妙な小説の1章を読むのにかかった時間も,だいたい20分くらいだった(本屋の店頭で)。Cで簡単なフィルタ(ファイル先頭のMacBinary部分を切り落とすとか,テキストファイルの行末コードをCRLFからLFに変換するとか)を書くのも,だいたい20分くらいだろう。湯を沸かし始めるところから測れば,コーヒー豆をミルで砕いてペーパーフィルターにセットして,湯を薬缶からドリップポットに移して点滴注湯し,2杯分淹れおわるまで20分くらいと思う。新幹線で大宮から上野は20分強だが,「下戸列伝」を2人分くらい読める。あさま2号からMaxやまびこ114号に乗り換えてからの時間も,なかなか馬鹿にはできないということだ。
- 10:00頃研究室に着いたら,今日も一番乗りだった。
- ソロモン・ドルフィン・センターなんて施設がマライタ島にできているとは知らなかった。しかし,イルカの捉えかたがファナレイ村の人々とはまったく違うような気がする。うまくやっていけるのかなあ。ちなみに,今は紛争の影響で日本人スタッフは全員日本に引き揚げているらしいが。
- 来月5日に長野県知事との女性問題懇話会とかいう会合に,各界各層の代表の一人として出席することになっている。夫婦共稼ぎで夫側が子どもと遊ぶために長野県に住んで東京に新幹線通勤しているから,という理由で選ばれたらしく,育児と仕事の両立について話すように求められているのだが,体験談を語るしかなかろうなあと思っている。これに際しては,無報酬なのに東京大学には兼業許可申請を出さねばならず,書類を書くのが面倒だ。「兼業が官職に与える影響」なんて,何を書けばいいのか見当もつかない。取りあえず適当に書いてみたが,これでいいのかなあ。
- 省庁再編で,北海道開発庁,国土庁,運輸省,建設省が合併して,2001年1月から国土交通省となるに際して,ビジョンを策定するためのPIを行っていたので,メールで資料を請求しておいたら(今はPDFとテキストで置いてあるので資料請求しなくてもいいのだが,この件を知った時点ではそうするしかなかった),ずいぶん金のかかった立派なパンフレット(内容からすれば金の無駄遣いと思う)が送られてきたので,内部矛盾と思われる点を指摘して,無駄だとわかった開発はやめて安全に暮らせる町を維持するために働いてくれという意見と,自転車の地位を確立してくれという希望を書いて送ることにした。送ってもどれくらい政策に反映されるかはわからない(というか,たぶん一人だけの意見ではほとんど無視されるだろう)けれど,やらなくてはゼロなのだからやった方がよいと思う。
- それにしても,せっかく案内WEBサイトがあるんだから,フォームからSUBMITできるようにすれば無駄がなくていいと思うのだが,技術力がないのだろうか?
- 帰りは終電。混んでいたけれど,4号車に乗っていたら大宮で座れた。鈴木眞哉「下戸列伝」(集英社文庫)を読了。下戸とは酒を飲まない人であると定義した上で,日本史上の有名人78人の下戸ぶり(中には本当に下戸かどうかわからない例も何人かあったが)を書き連ねた本なのだが,なかなかどうしてこれが面白い。
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