枕草子 (My Favorite Things)
【第372回】 運動日和(2000年8月26日〜28日)
- 青刈りだけはやって欲しくないと思う。問題は,つまるところ米消費の低迷なのだから,食品工業の人たちが頑張って新しい食べ方を宣伝すべきではないのか。無洗米も凄い技術だが,粉にする技術だって保存技術だって進歩していると思う。米を原料としたパンだって麺だって美味なものができるのではないか。コストの問題はあるにせよ,食料自給率を高めるために,せっかく去年農業基本法が改訂されたのだから,こういう時こそ農水省は頑張りどころだろう。青刈りは,間違いなく資源の無駄である。
- 念のために書いておくと,資源の無駄なのは青刈りだけではない。価格の維持を目的とした生産調整のための摘果は,すべて資源の無駄である。需要が定まっているところへ過剰な供給をするには,値下げをする以外にも,値上がり期待をさせるとか,付加価値をつけるとか,なんらかのやり方があるはずだ。もちろん,余剰分は保存が利くように加工するという道もあるが,果物の鮮度管理は米よりずっと制限が強いだろうと思われる。それに,何より米は唯一自給が可能な主食である。やはり青刈りは避けたいと思う。
- 土曜日は,午前中がランドリーラックの組立てで終わった。午後は娘を後ろに乗せて自転車で田子池まで,金魚の水槽に入れるための水草を拾いに行って来た。この時期の田子池周辺は夏草が生い茂っていて,トノサマバッタもいれば,いろいろなイトトンボが飛んでいて目を楽しませてくれる。通り道も主に若槻大通りなので,安心して自転車を走らせることができ,子連れツーリング先に向いている。池一面をヒシと思われる水草が覆っていて,一掴みくらい貰ってきても影響はないだろうと思われたが,なかなか娘が近づけるほど足場のよいところはなかったので,さっと一掴みとってビニールバケツにいれ,持ち帰ることにした。池の周りだけでは満足できなかったのか,当然のように娘が不機嫌になったので,帰る道々の公園で遊びにつきあったがそれもまた良いものである。家でバケツの中をよく見てみると,水草の他にも,大小取り混ぜて15匹くらいのモノアラガイとか,イトトンボのヤゴとか,いろいろな水棲生物がいたので,ぜんぶ金魚の水槽にいれてやった。多少水が濁ったが,この方が複雑な系になるから何となく良さげである。
- 日曜日は午前中,子ども祭りといって,各地区(の育成会)対抗の運動会があった。汗だくになって帰宅したあと,一念発起して城山の市民プールに行った。大人200円,子ども50円という安さでシャワーも使い放題なのだから安いものである。陽射しは強いが,吹く風は涼しく,既に秋の気配を漂わせている。実に運動日和といえよう。2時間ほど泳いで帰宅したら,ぼくは疲れ果てて昼寝に流れたのだが,子どもたちはまだ遊び足りないようで,近所の子どもたちと外で遊んでいたようである。あんまり遊びすぎたのか,息子が夜中に37.5℃の微熱を発したのにはドキッとしたが,汗をかいた下着を着替えさせて,朝までぐっすり眠ったら平熱に戻っていた。たいした体力である。
- 月曜朝から妻は秋田へ研修旅行に行ってしまったので,娘を保育園にやってから長野駅に来た。往路は9:02発あさま508号。この電車は上田と佐久平に停まらないので,軽井沢から乗る人には狙い目だろう。今日は15:00過ぎには研究室を出なくては迎えに間に合わないので,時間がない。急いで仕事をこなさねば。
- このページについて,「黒の背景に白文字は“ほんのちょこっとなんだけど”読みづらい気がします」とのご意見を目安箱より頂き,言われてみれば確かにその通りだと思ったので,背景を黒にした原因のページのソースをちょっと加工して,ページ全体の表示は白の背景に黒文字に戻してみた。如何だろうか。
- 15:10に研究室を出て(半日休をとっている)上野に15:35着,15:42発なすの243号で大宮に出て,11分の余裕があるので階段をゆっくり降り,のんびり上がって隣のホームへ移る。16:13にあさま5号に乗り継ぐと,長野に着くのは17:15である。18:00に保育園に着くためにはもっと遅くてもいいのだが,ちょうど良い電車がないので仕方がない。上田あたりまでかかって,小松正之「クジラは食べていい!」(宝島社新書)を読了。この本が言っていることは実に単純で,IWCのイデオロギー的変質によって科学的主張が認められなくなった現状はおかしいから,CITESなどIWC以外の真の国際機関の力を借りて(IWCは反捕鯨国の誘いで加盟した非捕鯨国が多数入っているが,総計でも40ヶ国に過ぎない)科学的に正しい管理捕鯨を再開するのが当然だということだ。わざと扇情的に書いているふうもあるが,著者の主張は本質的に筋が通っていると思う(ぼくの知識に照らしても)。松田裕之さんの本とかと併せて読めば,なお理解が深まると思う。その意味では参考文献リストは是非欲しいところだし,できる限り正確なデータとともに議論を進めるべきだった。グリーンピースが政治的圧力団体だなんてことは誰でも知ってるんだから,その辺を批判するのにあんなにページを費やさなくても,データを出せば十分ではないのか? と思う。気持ちはわかるけど。
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