枕草子 (My Favorite Things)
【第434回】 このファイル(2000年11月22日)
- 往路あさま504号。
- 瀬名英明「八月の博物館」を読了。前2作に比べると,物凄くうまくなっている。メインのアイディアが生物系でないという点でこれまでの愛読者は肩すかしを食らったような気がするかもしれないが,最後までトーンが乱れないので,本読みの評判はこれまでより良くなるのではないか。メタフィクション的な構成手法自体は筒井康隆(「朝のガスパール」など)や小松左京らが良く使っていたし,平井和正「超革命的中学生集団」だってそうだったのから目新しいものではないが,各々のレベルでの物語が生きているので,全体としても輝いているのだと思う。まあ,トーンが乱れないと感じるのは,一つにはメタフィクションの系譜があるからだし,もう一つには細部の表現に圧倒的な臨場感を感じるからだが,SFにおいて広げた風呂敷の畳み方としても,どの物語レベルでも結末を放り投げないでケリを付けているので,読後感が非常に良い。満足満足。
- ふと気が付いてみると,このファイルがフロッピーディスク1枚に収まりきれないサイズ目前になっている。無防備に全文一覧なんてしたら,大変なことになるかもしれない。すべてを1つのファイルにしておくという手口は,編集段階ではエディタの検索や置換を使うのに便利なのだが,それもこう大きくなってくると考え物である。とくに,出先からファイルをアップロードしたいと思ったときに困る。そこで考えたのだが,要するに整形スクリプトが,入力ファイルでなくて,入力ファイルリストを参照するようにすればいい。参照の仕方によって,複数に分割されたファイルに見えたり,1つの大きなファイルに見えたりするというわけだ。最近書き込みが増えている書評掲示板のように,表題と本文登録番号のファイルを,インデックス付きの本文のファイルと分けるという手もあるが,それだとスクリプトやデータファイルの修正が面倒なので,とりあえずファイルリスト参照化で行ってみようと思う。また例によって整合性のある書き換えをするには試行錯誤を要すると思うが,やる価値はあるだろう。
- 昼食は生協で弁当を買った。719円の支払いをするときに財布にちょうどあった小銭で払ったのだが,最後に渡した5円玉の表面を見てちらっと後悔した。昭和24年というとっても古い貨幣だったのだ。しかし,この年齢になると,「あ,やっぱり1000円札でお願いします」なんてことは恥ずかしくて言えないのだ。それほど古い貨幣にこだわりがあるわけでもないし,諦められないわけではないのだが,でもちょっと残念だなあ。
- 昨日の試験答案を渡してからは,来週のネットワーク切り替えの準備として,新しいネットワーク構成図を作ったり,クライアントマシンの設定変更ガイドを作ったり(折角作ったのに,これらは教室内の人にしか見せられないのがちょっと悲しい),bindのアップグレードをしたり(Bind-8.2.2は,patchlevel 5以前ではDoSアタックに対してセキュリティホールがあったのでpatchlevel 7にしたのだが,ソースをダウンロードして展開してmake depend,make allをやってからスーパーユーザになってmake installし,デーモンとして/usr/sbin/namedを実行させるだけと簡単だった)。18:00現在,日記生成CGIの改変はまだ手付かず。
- 帰りは終電1本前。明日のりんごの収穫に備えて眠る。
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