枕草子 (My Favorite Things)
【第458回】 粉雪舞い散る(2000年12月28日)
- 今朝は久々に7:02発あさま550号。まだ仄暗い曇天の下,自転車を漕ぐ長野駅までの途中,頬に冷たいものを感じて見上げたら,粉雪が舞っていた。こういう景色を目にすると,「粉雪舞い散る散る……」とつい口ずさんでしまう。「粉雪のエチュード」はよくよく歌詞を思い浮かべてみると,失恋したのに諦めきれなかった薄れゆく想いを粉雪に重ねた歌だったと思うのだが,失恋とは無関係に粉雪には風情がある。いくつかの歌には,意味内容と無関係に口ずさんでしまうフレーズがいくつかあるが,コトバそのものに力がある証拠かもしれない。東京の粉雪はなんとなく粘ついて不快なのだが,長野の粉雪はさらさらしていて,とくにこういう交通量の少ない時間帯だと,なかなか気分が良いのだ。
- 今日は秋葉原に行く用事が生じたので,昼飯は福のれんにする予定である。用事の中身は,やっと探し当てたWindowsMe対応ドライバをもってしてもRT-6710SがWindowsMe下で安定動作しなかったため,新しいSCSIカードを買いに行くのだ。「安定動作しない」の意味は,セーフモードで起動してマイコンピュータ=右クリックでプロパティ=デバイスマネージャからSCSIコントローラのAEC 6710を削除して再起動し,起動途中でWindowsMeドライバを読ませたときだけ正常動作するのだが,再起動するとフリーズしてしまうという症状が改善されなかったということだ。きっとデバイスを認識する順序がおかしいのだと思うが,それを虱潰しに調べてレジストリを手動設定するよりも,このカードは旧マシンで使い続けることにして,新しいSCSIカードを買う方が手っ取り早いということになったのだ。
- 警戒しなくてはいけないのは,秋葉原なんか行ってT-Zoneになんか入ろうものなら,東芝製8.1 GBの8.45 mm厚の2.5インチHDDを買おうという欲望に抗しきれなくなる危険性である。vaioのHDD残量は既に200 MB強しかないので,4 GB増えるととても嬉しいのである。2万円もかからない欲望なのに,歯止めになっているのは,alternativeの存在である。このvaioを永遠に使うわけではない以上,HDDの換装よりも2 GBのPCMCIAカードの方が合理的である。今はまだ高いが,IBMのMicroDriveの値下がり具合をみれば,今後安くなることが予想されるのだ。さらに,本体から給電してCD-ROMドライブを動作させることにすれば,vaioに入っているファイルの1 GB分くらいはCD-Rに移して運べるかもしれないという,第3の選択肢もある。そういうわけで歯止めがかかっているものの,あの8.1 GBドライブが1万円を切ったりしたら,たぶん間違いなく買ってしまうだろう。そういうわけで,非常に危険なのである。SCSIカードだけ速攻で買ってすぐに引き上げねば。
- 藤原正彦さんの新しいエッセイが新潮文庫から,未来放浪ガルディーンシリーズの新刊が角川スニーカー文庫から出ていることを知った。帰りに買おう。
- 自転車について問い合わせた結果,池之端門の内側は,大学構内からかき集めた放置自転車の一時置き場になっていて,25日月曜の朝に業者が回収していったということが判明した。業者が持っていってしまった後は,追跡のしようがないらしい。他の場所で放置自転車と認定するには,タグをつけて暫く待つということだが,あの場所に置かれていることは大学が放置自転車と認定したことを意味するのだから,業者はいちいちタグを確認しないらしい。あそこが放置自転車の一時置き場になっているなんて,掲示も何も出ていないし,知らなかったのはこちらのミスなのだろうか? 駐輪禁止とさえあの場所には書かれていないと思うが,是非今後は「放置自転車一時置き場」とでかく書いておいて欲しいと思う。
- 自転車が戻ってくる可能性がなくなったので,一気にやる気が失せてしまい,秋葉原も福のれんも取りやめにした。昼食は本郷三丁目の吉野家にしたし,SCSIカードはI.O.DATAのSC-UPCINBかAdaptecの2915LPか2930LPを(値段次第で)買うことにすれば上野のヨドバシカメラで帰りに買えばいいやということにした。T-Zoneの2.5インチハードディスクにつかまる危険を回避できたのだからよしとすべきだろうか。もっとも,SCSIカード以外にもFireSCSI Xpressみたいな選択肢もあるわけだが,本当にスキャナがつながるかどうか不安なのと,最大接続台数が1台と書かれていたので,おとなしくSCSIカードを買う方が良いだろうと判断したのだ。
- 20:00過ぎまで仕事をしてからヨドバシカメラに寄ってSC-UPCINを買い,領収書を書いて貰ったら20:36となっていて,上野駅までダッシュしたが,あさま533号にはタッチの差で間に合わなかった。ブックガーデンまで上がるのも癪なのでガルちゃんの新刊を買うのは断念したが,仕方ないので21:30発の終電一本前に乗っている。年末のせいか,がら空きである。4号車に座って読書することにし,高崎の手前で,小林信彦「結婚恐怖」(新潮文庫)を読了した。例によって町の描写はすばらしいのだが,篠田節子「百年の恋」と対比させて考えると,あまりに結婚の捉え方が観念的なのが可笑しい。
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