枕草子 (My Favorite Things)
【第462回】 新年最初の週末(2001年1月6日〜9日)
- 息子が小学校に提出する冬休みの宿題のいくつかにつきあってやったのが,この週末のメインだった。もちろん,そればかりやっていたわけではなく,土曜日は娘を保育園に送り迎えしたり,雪かきをしたり,日曜日は(数カ月ぶりに)床屋に行ったりもしたのだが,紙コップ工作だの,縄跳びチャレンジだの,あぶりだしだの,と小学生もなかなか忙しいものだと思った。創造性という面からいえば,あぶりだしをするのも雪を使って基地を作るのも大差ない,というか,むしろ後者の方が創造的かもしれないとさえ思うが,仲間と雪で作った基地は提出できないし,できることもできないこともあるから,すべての生徒から提出される共通課題が必要なのだとしたら,なんかつまらない縛りであるように思う。
- そんな感じで平穏無事に済みそうな新年最初の週末だったのだが,月曜日の午後になって娘が摂氏39度を超える発熱をした。大した看病をしたわけではないが,気が揉めた。夜になって発疹が出てきたので,保育園で水痘が流行っていることを考えると,娘にも感染した可能性があり,そうすると今後何日も休まなくてはいけないかもしれないので,少々気が重い。今日,妻が病院に連れていくというので,その診断待ちだが,軽く済んでくれるといいと思う。
- 今日,月曜の朝は,6:00に起きて新聞を読んでから,煮干しと長ネギと豆腐で手抜きの味噌汁を作り,冬休みボケで眠たがる息子を起こして一緒に朝食をとってから自転車で家を出たが,20 cm以上は積もっている雪が歩道に集められている部分が多々あり,亀のようなのろさで進まざるをえなかったため,7:50発あさま2号には間に合わず,8:05発あさま504号に乗った。午後からまた降るという予報が出ているので長野電鉄でも良かったのだが,たまには自転車にも乗らないと身体がなまるというものだ。車内で週刊アスキーを読んだ。連載小説が新しくなって,宮部みゆきの電脳スペースオペラ風の作品の初回だったが,なかなかいい雰囲気だ。ゲームには興味をもたないことにしているので,その他の記事には大して見るべきものはなかった。IT基本法の記事は提灯とはいわないまでも光ファイバーを引くことを無理やり正当化しているのがダメだった。むしろADSLの利用料を安くすれば,ネットワーク接続インフラは飛躍的に良くなるのは見えていると思うのだが。大宮の直前で読了。
- 東北新幹線が遅れていたために大宮で少々待たされたが,9:40過ぎに上野に着いた。この分だと10:00過ぎには研究室に着けそうである。今日の最初の仕事は,昨夜教授から電話でコンピュータが壊れたという知らせを受けたので,その修理である。さて午前中に終わるだろうか?
- 見たこともない花のアイコンが10個以上もタスクトレイにあったのでウイルスだと直感して調べたら,悪名高きNavidadのバリエーションで,Navidad.Eとかいうものがしっかり感染していた。DOSプロンプトからregedit.exeをregedit.comにリネームして実行し,レジストリをいじることで手動駆除できた(詳細な情報はトレンドマイクロのサイトなどで見つかる)ので,システムの再インストールを要したTROJ_MTX.Aよりはましだが,すべてのEXEファイルが実行不能になってしまうという動作はびっくりする。メールソフトとしてOutlook系のものを使っていないので被害が広がらなかったらしいのが不幸中の幸いというべきか。
- 午後は,竹内君の卒論のモデルを検証するのに必要なデータを入手するために電話を入れたり(うまく行きそうな見込みで嬉しい),死亡モデルのディスカッションをしたり,出生間隔分析プログラムのコーディングをしたり,としているうちに過ぎ,気が付いたら窓の外は真っ暗になっていた。一つ残念なのは,今年もあのつまらないセンター試験監督をしなくてはいけないと決まったことである。まあ運の問題だからしかたないが。
- 19:10頃妻から電話があった。娘の病気はやはり水痘だったらしく,かつ摂氏40度を超える高熱を発しているというので早めに帰ろうと思ったが,19:19の次は20:38なのが長野新幹線で上野から長野まで行くときの難点だ。何故こんなに間隔をあけているのか知らないが,変なダイヤだと思う。20:10に研究室を出て20:38上野発あさま533号に乗ったが,これだとどう足掻いても家に着くのは22:30を過ぎるのが悲しい。
- それにしても,水痘なんて1/4の人には熱が殆どでないし,一般に熱が出ても摂氏38度前後と言われているのに,摂氏40度を超える高熱ということは,発疹も多くて症状が重いのだろうと予想される。日頃あまり病気に罹らない娘なので,たぶん免疫系の働きは悪くないと思うのだが,過剰反応しているのだろう。もっとも,高熱からすると麻疹や川崎病と間違えたんじゃないかと疑いたくもなるが,既に全身に水疱が出ているらしいから,たぶん水痘であることは間違いないと思われる。近所の小児科でアシクロビル(ゾビラックス)を出してくれたのなら高熱が続くことはないと思うので,きっとアシクロビルは出してくれなかったのだろうが,すべての水疱が瘡蓋になるまで保育園にやれないので,できればアシクロビルを使って軽症に済ませたかったところだ。WEBサイトで検索すると,ライ症候群にならないようにするために,解熱剤としてアスピリンだけは使わないようにと警告しているサイトが多々見られた。たしか小児用バファリンはアセトアミノフェン製剤だったと思うので,あれを使えばいいのだろう。しかし,高熱でも比較的元気で意識がはっきりしているなら,できるだけ解熱剤は使わない方がいいらしいので,やはり解熱剤でなくて,アシクロビルを使うのが筋なのだろう。なお,水痘の潜伏期間は2〜3週間ということなので年末には既に保育園で貰って感染していたのだろうが,潜伏期間中は感染力がないというのが救いだ。もし潜伏期にも感染力があるのだったら,年末年始と温泉場など結構連れ歩いたので,相当ウイルスをばらまいていたであろうと思われるからだ。保育園は,お互い様なのでまあ仕方ないとして。
- ところで,子どもがかかる病気についてのWEBサイトは,玉石混淆だし,知見が古いことも多いので,きちんとまとめておくときっと役に立つだろうと思う。PubMedで新しいしっかりしたレビューを探して全訳し,訳だけでは意味がわかりにくいところや,日本の事情には合わないところには詳しく補注をつけるくらいのことをすれば良さそうだ。やる暇と訳を公開する権利を得るための交渉をするパワーがあればやるのだがなあ。誰かやりませんか?
- 長野でも雨が降っていたが,おかげで雪がだいぶ解けていたので,傘をさして自転車で帰宅した。
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