よーし完封だ。
往路あさま506号。数日前の夜から液晶表示がされなくなってしまったIBM ThinkPad 600を修理するために,今日は上野から銀座線に乗り換えて新橋に向かい,ゆりかもめで芝浦ふ頭のIMASに置いてくる予定。新橋から研究室に向かう途中で神保町に出て,ICIかさかいやで通勤用にサブザックを買い,明日近所のTRYで折り畳み自転車を買うための金を富士銀行から引き出すことができれば完璧であろう。ザックは,非常勤講師をする日や最近多かった短期出張のときなどに,いつも通勤に使っているランドセル型バッグにはちょっと入りきらないということがあり,このところずっと欲しかったのだ。昨日食事のついでに生協で形や大きさはいいバッグが安価で売られていたのだが,惜しむらくは生地が薄く縫製が甘そうだったので買えなかった。ぼくの荷物は,vaioとM40の他は本と書類なので,大きさの割に非常に重く,やわなバッグではすぐに壊れてしまうのだ。その点,ICIやさかいやで売られている登山用サブザックなら頑丈だろうと思われるのだ。
今日中に来週のミーティングのためのハンドアウトを完成させようと思っているので,その作り方を書いておこう。スキャンして切り貼りだとか,pdfからの貼り付けとかいうテクニカルな話は何度もしてきているので,ここで書きたいのはハンドアウトに提示する内容である。
教室ミーティングで配るハンドアウトには,論文の書誌情報とabstractと図表は含まねばならないというのが,不文律になっている。では,その他には何を書けばいいのだろうか。日本語で説明するときは,発表者自身も説明が楽だし,聴衆の理解力も高いので,ハンドアウトにない説明を多くしても,比較的差し支えない。しかし,英語でプレゼンテーションをするときは,説明を聞きながらハンドアウトのここを見ていればよいということが,常に明確になっていないと,話をフォローできない人が何人も出てきてしまうだろう。それ故,ハンドアウトの内容は,過不足なく発表内容に対応し,かつ構成が明快でなければならない。
ミーティングの発表で最低限伝えなくてはならないポイントは,次の通りである。(1)なぜこの論文を選んだか(この論文の結論を踏まえて),(2)この論文がテーマとしている研究分野の現状と,その中でのこの論文の位置づけ,(3)この論文の目的,(4)対象(ヒトの地域集団が対象なら,論文に載っていなくてもハンドアウトに地図を付けるべき。Arc Explorer Jを使えば簡単だろう)と方法(その分野でのスタンダードな方法ならそうだとわかるように明示し,チャレンジングな方法なら再現できるくらい詳しく),(5)結果(図表番号を示してそのポイントだけ),(6)考察(議論のポイント毎に箇条書きするのが適している場合が多い。著者の考察と紹介者がそれをどう評価するのかを明確に区別する必要がある),(7)結論,(8)紹介者はこの論文をどう評価するか(目的と結論の対応も含めて)。このうちどれか1つでも欠けてしまうと,発表のポイントがわからなくなり,つまらなくなる。これらのうち,ハンドアウトに詳しく書いておく方がいいのは,(2)(4)(6)なのだが,(4)が不十分なために説明をフォローできなくて困ってしまう発表が結構ある。これを読んだ学生諸君が,その辺りに気を付けてくれることを期待したい。
もちろん,自分だって毎回完璧なハンドアウトができているわけではないから,これは理想論にすぎない。でも,理想を目指さなくては,いつまでたっても不満足なままだろうから,常に理想は目指すべきだと思う。とくに学問の世界では。
ミーティングの準備がだいぶ進んだので,終電1本前の新幹線で帰途に着くつもりで研究室を出て,予定通り乗れた。新幹線内で論文紹介の構想が固まったし,今日は完璧と言えよう。