枕草子 (My Favorite Things)
【第560回】 今日も雨(2001年6月15日)
- 梅雨の時期は毎日雨で鬱陶しい。長野電鉄で長野駅に出てから,昨日で定期券の期限が切れたので,定期券を買う。来月ソロモン諸島に調査に出ることも考え,今回は1ヶ月定期にした。粗品はボールペンとシャープペンのセットだったが,これなら万年筆1本の方がいいなあ。往路あさま506号で結城五郎「心室細動」を読破。語り口にはひきこまれるんだが,主人公のメンタリティがどうしても納得できない。そこまで凄い研究ができてるんなら,国内なんか相手にしなければいいのでは? まあ,主人公が研究者である以上に,上昇志向の強い医者だという造形なのだろうが。
- 昨日気になったインドの土壌についての資料を探そうと思って,ちょっとGoogleで検索したら,宝の山に当たった。国際高等研究所で1998年度から2000年度までの課題研究として行われた,環境と食糧生産の調和に関する研究−人類生存の視野から−である。まだ最終報告書は入手できないようなのだが,1998年度研究会記録の資料1というのが,中国とインドの食糧・環境・人口・貧困についての,莫大な基礎資料と分析結果なのだった。質・量ともに,この種の公開資料の中では群を抜いていると思う。環境とか人口とか食糧といった問題に関心をもっている人は必読ではないか? 最終報告書の発表が待ち遠しい研究である。
- PC Japan7月号の萩原健太氏の記事でWinampを見直したので,vaioでのMP3再生はWinampですることにした。vaioにヘッドフォンを繋いで聞くくらいではAudioactive Playerとの音の違いはわからないし,日本語化キットをインストールすると日本語で曲名が表示できるという利点がある。WinampのサイトでSkinを久々にブラウズしてみたら,USのいくつかの大学のSkinがあるのに気づいた。Penn State Univ.のとかOhio State Univ.のは,実に格好いいデザインだ。別に大学公式のものというわけではないようなので,東京大学のも作ってみようかなんて思ってしまった(テスト)。
- 助教授室の床でヒラタクワガタが動いているのが見つかった。当の助教授は今日から熊本へ出張中なので,飼っているという可能性も否定できないのだが,飼育箱も何もなかったので,外から迷い込んできた可能性が高いと思われた。外からといっても,こんな東京の真中に野生のヒラタクワガタがいるとは思えないので,誰かが飼っていたものが逃げ出したのだろう。ともあれ,このままにしておくわけにはいかないので,人類生態サーバ管理係であるところの萩原君,竹内君と3人で,即席飼育箱を作ってみた。なんとなく,こういうのって楽しい。なお,竹内君のページにはクワガタの写真が載っているようである。
- 帰りは例によって終電1本前。土日を餌も水もなく研究室に放置するわけにはいかないので,クワガタはとりあえずぼくが持ち帰って世話をすることにした。高崎を過ぎた辺りで,日高敏隆編「水と生命の生態学」(ブルーバックス)をやっと読了した。話の入り口という感じではあるが,水圏の生態学についての面白い話が満載の本で,とくにマングローブの話,海草の話,エコトーンの話が面白かった。Furthur Readingsが示されていないのが残念だが,WEB上のデータベースから検索すれば見つかりそうだから,実用上は不便はないかも。
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