今日も往路あさま550号。昨夜は娘が痒がったので薬を塗ってやったため睡眠不足ぎみなのだが，もう少しだからと思って，藤岡真「六色金神殺人事件」（徳間文庫）の続きを読み，軽井沢付近で読了した。これは，「ヤラレタ」という作品であった。殊能将之の３作目みたいな流れになるのかと思いきや，北川歩美が常にそうであるように完全に論理的な解決がついている。「異色伝奇ミステリー」という背表紙の文句は，「異色」だから許されるか，という感じ。まあ，いずれにせよ何重にも入り組んだ設定そのものとトリックと視点が絡み合っていて，パズラーとしてはかなり楽しめた。
こういう優れたミステリーは，たぶん風呂敷を広げてから帳尻合わせをしているわけではなくて，最初から構成を考えて，ゴールに向かって収束させていくのだろうと思う。日常生活もそうありたいものだと常々思っているのだが，ぼくはそういうことができなくて，いつも締め切りぎりぎりになってから何とか帳尻合わせをして切り抜けるという羽目に陥っている。自分でいうのも変だが，ぼくが何とか社会生活ができているのは，この帳尻合わせをする能力が相当あるからだと思う。言い換えると自分への要求水準を下げることに妥協できるということだから，まったく情けないことなのだが，社会生活というのは約束事と形式の塊だから，水準はどうあれ形を整えられれば丸く納まることが大部分なのだ。自分が本筋ではないと思うことは，帳尻合わせで切り抜けてもいいのではないか，と思う。
閑話休題。最近，airWebというブラウザを見つけた。エンジンにIEのを使うのが気に入らないのだが，キャビネットとマイフレームという機能が役に立つ。自分でagentを書けば，WWWCとかA-Scopeみたいな巡回ソフトも要らなくなるだろう。Netscape 6.1も高速起動が可能になったので併用しているのだが，agentの書き方が分かってくるか，ダウンロードできるagentが増えてくれば，完全にairWebに乗り換えるかもしれない。将来的にはエンジンはGeckoにして欲しいと思うが，かなりお薦めである。