枕草子 (My Favorite Things)
【第724回】 紙芝居選び(2001年12月1日)
- 昨夜帰り着いて素麺を茹でて食べ終わって布団にもぐりこんだのは1:00を過ぎていたのだが,3:30に娘が痒がって身体中を引っ掻くのに耐えかね,起きて風呂に入れ,全身に保湿剤を塗るなんてことをやった上,息子におにぎりを作ってやるために6:00に起きたので非常に眠い。
- 朝は調子が良くてケロッとしている娘を保育園にやってから,洗濯機を回しつつ,講義のフォローアップをやっている。たいして進まないのだが,これでもやるとやらないとでは大違いである。
- 今日は,昼食後に娘を迎えに行った足で市立図書館に行って,保育園のクリスマス会で父母の会企画として上演する紙芝居を探してくる予定である。本当は娘に見せない方がいいのだが,いくつか借りてくれば全部は覚えられないだろうから,そのうち1つを本当に上演することにすれば問題なかろう。
- ひまわり公園にも寄ったのだが,なぜか乗り物の貸し出しが休みだったので,すぐに市立図書館へ移動した。防災紙芝居という教訓的なやつを聞きたがるので2つほど読んでやってから,傍らに展示してあった巨大な絵本に目がとまった。「三匹のこぶた」である。これも読んでやったのだが,ぼくの記憶にあるのとは違って,かなり恐ろしい話なのだった。まず,三匹のこぶたがどうして家を作らなくてはならなくなったかといえば,貧乏で子沢山だった母豚が,もうおまえたちは養えないからといって追い出したからなのだった。さらに,家の素材は,たまたま出会った人間が運んでいた素材の違いなのだった。しかも,初めのこぶたと二番目のこぶたは狼に食べられてしまってそれっきりなのだったし,三番目のこぶたは,煙突から進入してきた狼をコトコトと鍋で煮て食べてしまうのだった。狼の腹に呑まれていた兄弟を腹を切って救い出すのは,七匹のこやぎだったか。確かに豚は雑食性だから,狼の肉を食べたって不思議はないが。
- その後,借りる紙芝居選びに戻った。クリスマス系のやつを3つと,「龍の子太郎」を借りることに決めてから,「ゆきおんな」を読んでやったら,娘がたいそう気に入ってしまい,借りて家に帰ってからも読まされた。これも,ぼくの記憶にあるのよりも,理不尽で,かつ余韻が残る話なのだった。最後の「これっきり。」が光っていた。さすが松谷みよ子監修というべきだろう。もう20年近く前に,小学校二年の読書感想文コンクールの課題図書として読んだ「オバケちゃん」は衝撃だったが(考えてみると,あれも「複合汚染」に反応する下地を作った一因かもしれない),消えてゆくモノノケに対する松谷みよ子の視線は一種独特である。
- 夕方からは子どもたちとテレビを見ようと思っていたのだが,NHK以外はご出産お祝い特番だらけになっていて,仕方がないのでトランプで遊んだ。ああいう番組編成になるというのは,囚人のジレンマみたいな話なのだろうか? 確かに視聴者のパイは決まっているから,N人ゼロ和ゲームとなって同じ選択をするのが最適解なのかもしれないが,なんかつまらないなあ。
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