枕草子 (My Favorite Things)
【第726回】 マンデリンが好きなんだけどなあ(2001年12月4日)
- 昨日の夕方から発熱したという娘の微熱が下がらないのだが,今日は解剖学の資料配りと出席取りの仕事があるので休むわけにもいかず,ファミリーサポートセンター登録のお宅に急で済みませんが,といってお願いしたら引き受けてもらえて助かった。
- 雨なので長野電鉄経由で往路あさま504号に乗り,Kioskで買ったWeekly Yomiuriを読んだ。なんで買ったのかといえば,昨日Kissa-MLに流れたメールで,コーヒー豆の種類によるリラクゼーション効果の違いという記事が載っているという情報を得たからである。読んでみると,6種類の豆を中煎り中挽きにしてドリップし,被験者10人に香りをかがせて脳波計でα波を測るというデザインであった。コントロールとして水を使っていたが,ブルーマウンテンとグアテマラでα波が増え,マンデリンでは減るという結果であった。つまり,ぼくが好きなマンデリンには,中煎りではリラクゼーション効果がないということだ。まあ,別にリラクゼーションを求めているわけじゃないし,本来深煎りが向いているとされるマンデリンのハイローストが好きだなんていう自分の嗜好を考えると,そんなことはどうでもいいのだが,なんとなく悔しい。
- しかし,記事の中で柄沢さんが指摘する通り,同じ中煎りとは言っても豆によって煎り方との相性があるし,煎り方の難しい豆もあるし,記事にはドリップの仕方が書かれていなかったが,ドリップまできちんと条件を揃えられたのかどうかが疑問だ。豆や煎り方が違えば,味を引き出すのに適した淹れ方や香りを引き出すのに適した淹れ方もまた変わってくるのが当然であり,この実験が豆の実力を評価したことになるかどうかはやや怪しいと思う。いろいろ条件を変えた追試が待たれるところである。
- コラム記事として,β3アドレナリンレセプター多型の日本人における頻度の調査で有名な吉田俊秀さんがやっている,肥満マウスにインスタントコーヒーを飲ませるとやせるという実験と,東京大学医学部4年生に対して行われている,カフェイン摂取が計算能力を向上させるという実験が紹介されていたが,吉田さんの実験で使われている肥満マウスの変異が,レプチン欠損なのか,レプチンレセプター欠損なのか,その他の変異なのかという点に触れられていないのは手落ちと思った。後で気が向いたら編集部に聞いてみよう。
- ミーティングはコモド国立公園周辺住民を対象に,ツーリズムへの依存度と自然保護的な態度によって群分けして,ツーリズムへの態度を比較した論文と,米国の妊娠間隔データと早期産と低出生体重の関連を何十万人分もの公的資料から分析したという論文だった。どちらもそれなりに面白かったが,いくつか疑問点が残った。
- 帰りは終電1本前。軽井沢までかかって週刊アスキーを読了した。あまり面白い記事はなかったが,MSIのnForceマザーボードは自宅用に魅力だなあと思う。モデムがなさそうなところを見ると,ブロードバンドが必須なのだろうが。
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