枕草子 (My Favorite Things)

【第763回】 発表準備に到達できない(2002年2月20日)

往路あさま508号。長野市も青空が高く広がっていたのだが,降り積もった粉雪で滑るのが怖くて,自転車を飛ばせなかった。それで,506号は2分差くらいで逃してしまったのが悔やまれる。

新幹線車内で,週刊アスキーと安達瑶「ざ・とりぷる」(祥伝社文庫)を読了。週刊アスキーは低調。地球村の事件簿は面白いが,惹かれる新製品もなかったし,Premiere LEのプレゼントに応募しようと思ったくらいか。「ざ・とりぷる」は西村寿行的な記号小説である。人物設定に仕掛けがあるので,一見記号っぽくないが,ストーリーテリングの都合が勝っていて,行為や言動に一貫したバックボーンがなく,演じられた書割りのような思考や会話には深みがない。つまり,作者が登場人物をその役割に応じて記号として動かしていることが目に付いてしまう。これはキャラが立っているとか立っていないという問題ではなく,何を書こうとしているかという作者の姿勢なのだと思う。だから,その分ストーリーが面白ければよくて,その意味で,この作品は楽しめた。似た雰囲気のストーリーを書いている楡周平よりずっとリアリティがある。もっとも,最後の仕掛けは2ちゃんねらーであろう作者がその効果を過大評価しているような気がするが。

今日は,本来なら娘を連れて半年に一度順天堂の小児眼科に行く日だったのだが,娘が発熱してしまって延期したので,東日本部会の発表準備を薦めることができる。夕方に,来週の試験監督の説明会に出なくてはいけないのが退屈だが,業務だから仕方ないだろう。モバギでも持って行くか?

蓋を開けてみたら,二次試験の監督者説明会というのは人数が少なかったので,とてもモバギなんて開いている雰囲気ではなかった。もっていかなくて良かった。

夕方からずっとnc2号にぶらさがっているLANの調整をしたのだが,うまくいかなかった。nc2号というのはS503号室のプリントサーバであると同時に,NICが2枚挿してあって,何人かの院生に部屋内LANを提供しているマシンなのだ。NAT機能はうまく働いているのだが,sambaが外からは使えるのにLANからは使えないという問題が突然起こって(昨日までは使えていた),nc2に置いていたデータファイルが使えなくなってしまったのだ。ftpでなら取れるのだが,院生が使っているマシンのローカルのハードディスクの空き容量が足りないので,nc2の自分のホームディレクトリをネットワークドライブとして,そこにあるファイルをそのまま使いたいというわけである。いろいろチェックしてみたのだが,さっぱり原因がわからない。LAN内のWindowsマシン(192.168.1.2)側からnc2に192.168.1.1としてpingをかけるとちゃんと応答がある。192.168.1.3など他のWindowsマシンにpingをかけてもちゃんと応答があるし,自分自身にpingしても普通の応答である。localhostでも大丈夫だ。もちろん,nc2のNAT機能が生きているから,ブラウザなどで外へもいける(Yahooなどのページもちゃんと見える)。ところが,nc2にログインして192.168.1.2にpingをかけると,1度目は0.4ミリ秒程度で応答があるのだが,その後98%くらいは応答がなく(パケットロスになる),時折(十数秒間隔で)応答があるという状態になる。192.168.1.1からはちゃんと応答があるからカードは死んでいないし,ifconfig -aでも,LAN向けに設定してあるeth0の設定は間違っていない。rc.localにrouteを使って設定してある経路指定情報にも間違いはない。念のためrouteをいろいろ変更してみても状況は変わらなかった。さてはHUBが死んだかと思って,自分のvaioをクロスケーブルでnc2のeth0に直結してみたが同じであったから,HUBの問題でもない。だいたい,NAT機能が生きているのだから,HUBの問題であるわけがない。ipchainsの設定も問題はなかったし,tcpdでのアクセス制限にも問題はなかった。smb.confにも問題はない。だいたい,smb.confの設定はLAN内とLAN外のドメイン内について同じにしてあるのだ。LAN外からはsambaのファイルサーバ機能もプリントサーバ機能も使えているので,samba自身の問題ではなさそうである。21:00まであれこれ格闘したのだが,徒労に終わった。こうなったら,nc2の設定を最初からやり直すしかないかもしれない。もしやり直すならOSはFreeBSD 4.5-Releaseにするが,それでも設定がしんどそうである。

ずっしりとした疲労感が溜まったまま,終電1本前で帰途に着いた。疲れきったので,車内で発表準備をする気にもなれず,眠ってしまった。


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