Top
個別メモ
Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
【第10回】 Rを使っている論文(2004年4月7日)
- 昨日書き忘れたが,RjpWikiで知ったところによると,かのNatureにRを使って統計解析を行った論文が載ったという。群馬大学ではオンラインでNatureの論文はダウンロードできるので,さっそく見てみたら,たしかに
Data were analysed using generalized linear modelling techniques implemented in the statistical package R (http://www.r-project.org/).
と書かれていた(Morris RJ, Lewis OT, Godfray HCJ: Experimental evidence for apparent competition in a tropical forest food web. Nature, 428: 310-313, Mar 18 2004)。すばらしい。Imperial Collegeの集団生物学とOxfordの動物学教室のグループだから,西浦さんの留学先に近いのではないか? この論文は中身もかなり面白そうなので,ざっと目を通してみた。本文に出てくるP.という学名の略号はマラリア原虫のPlasmodiumと同じだが,ここではハムシの仲間の甲虫であるPentispaとタマムシの仲間の甲虫であるPachyschelusのことだ。そもそもの問題の発端は,熱帯林の植食性の昆虫の群集構造は複雑なことで知られているが,どの程度の構造があって,それがどのようなプロセスで形成されているかがわかっていなかったことにあった。資源をめぐっての種間競争もあるには違いないが,主な餌となる植物が昆虫の種によって違っているために,役割は限定的だろうと思われていた。天敵を共有することで起こる「見かけの競争」かもしれないという説も含め,理論研究はあったし議論されてきたが,複雑な熱帯林の群集について「見かけの競争」が起こっていることを示す実証的なデータは皆無であった。そこでこの著者たちはベリーズという中央アメリカの国にある熱帯林で,実験的に2種類(ハエの仲間のCalycomiza sp. 8とハムシの仲間のPentispa fairmairei)の植食性の昆虫を除去して,天敵を共有する他の種(ハエの方は他のCalycomizaで食草が共通する12種ないし8種,ハムシに対してはタマムシ)にどういう影響が現れるかを調べ(対照区と比較することで「影響」をみる),どちらを除去したときでも天敵である寄生バチ(ここでは84種類の寄生バチによって,葉を食べる93種類の昆虫が攻撃されているとのこと)にやられる割合は低下するし,双翅目をについては個体数も増えたことがわかり,「見かけの競争」説を支持するデータを示すことができたというわけである。Rのglm()関数を使ったロジスティック回帰分析によって,除去すると寄生バチなしの対数オッズ比が5%水準で有意であることなどを示している。グラフもきれいだが,これもきっと,少なくともFig.2の原図はRで作ったのだろう。それにしても,1種の昆虫をどうやって除去したのだろうと思ったら,どうもManipulationというところをみると,それらの食草を除去したということのようで,その辺りちょっと弱いなあと思う(ざっと読んだだけなので誤解かもしれないが)。
- 今朝は5:35に自然に目が覚めた。既に外が仄明るいからだろう。自然の摂理か。昨夜の残りの煮物と炊きたての玄米ご飯で朝食を済ませた。タマネギと揚げの味噌汁も作ったが,食べる暇はなかった。家族が食べるだろうし,仮に残っても夜食べるから無駄にはならないのだが,ちょっと残念だった。玄米ご飯をタッパ(ではないが,それ風のもの)に詰め,上に,このところ妻が調理実験で毎日大量に揚げているコロッケを載せ,おたふくソースをかけて弁当とした。一昨日の夜,荷物の山の中から掘り出した水筒に,昨日はダージリンをいれていって正解だったのだが,今日は山口で残ったので持ち帰った珈琲をいれようとしたら,これが失敗で,たぶん相当古かったのであろう,酸敗していて飲めたものではなかった。仕方ないので,カップスープの素を2袋いれ,沸かしたお湯を注いで持っていくことにした。家を出たのが予定より10分遅れたが,道が空いていたので,予定通り往路あさま550号に乗れた。順調。
- 毎日メモを読んでいるという方からのメールで(ありがとうございます),Almail32で送信がうまくいかないのはPOPbeforeSMTPの設定のON/OFFによるのではないかというご指摘を受けたが,山口県立大のときのサーバの挙動からすると,Almail32はPOPbeforeSMTPはデフォルトでONになっていて,SMTP認証はデフォルトではしない設定になっている。群大内部からは,このままの設定でメールの送受信が可能である。EdMaxでの群大サーバの挙動はというと,内部からはAlmail32と同じくSMTP認証なしで送信できるが,外部からはSMTP認証ありにしないと送信できない。Almail32はツール>オプション>アカウント>高度な設定でSMTP認証するように設定できるのだが,EdMaxで認証に成功するのと同じユーザ名とパスワードを入れても認証に失敗するのである。Google検索しても該当する情報が見当たらないし,面倒だから一気にメールソフトをEdMaxに集中させてしまおうかという気になってきた。
- なんだか作業で終わった1日だった。デスクトップマシンやプリンタが使えるようになったので,プリンタドライバをインストールしたり,フィルムスキャナのドライバをインストールしたり,名刺を作ったり,メールソフトをEdMaxに移行したり(ずっと先延ばししてきたのだが,この際やってしまうことにした。過去数年分のメールを一旦mbox形式で保存してからEdMaxに取り込むのも時間がかかったが,それをデスクトップマシンからX22にコピーするのに膨大な時間がかかってしまって,既に19:00を過ぎたのだけれども帰れないのでミキ珈琲の営業時間には間に合わないという事態になってしまった),記入すべき書類がどさっとやってきたり,財形貯蓄は書類を貰って記入するだけで継続できることがわかったけれども,団体扱いの生命保険は給与引き落としができず,同愛会という財団法人を通して払わねばならないことがわかって,しかもその同愛会は群馬県の金融機関,例えば群馬銀行とか東和銀行とかいくつかの信用金庫とかの口座しか扱えないので,そのどれかに口座を開設しなくてはならないらしく,そうなってくると給与の振込みも都市銀行よりもそっちにして欲しいと事務の方で言ってくるらしいので(まあ当然だが),そこらへんの判断もせねばならず面倒だ。
- 単純作業を続けると疲れる。帰るちょっと前,自分の部屋のドアを開けたつもりが隣の教授室で驚いた。いや,小山教授はもっと驚いた(または呆れた)だろうが。それほど疲れ果てていたということだ。でも,我ながら信じがたいほど間抜けな行動だ。仮に教授の立場で自分を見たら,こいつは大丈夫かと不安になりそう。異動に伴う作業に加えて,これまで先送りしていた懸案事項を片付けているわけだから,決して無駄ではないのだが,やりたくないから先送りにしてきたという一面もあるわけで,消耗するのも道理か。
- メールのforwardingをちょっと変えた。東大のサーバからの転送を停止したのと,群大でのメインのメールアドレスへのメールも,.forwardの設定でPHSにも転送されるようにした。ぼくのPHSはメール放題契約をしているのでメールはいくら読んでも定額であり,ずっと転送設定を試してみたかったのだ。パスワード変更のやり方から考えてできるとは思っていたが,本当にできてちょっと嬉しかった。
- 結局,研究室を出たのは19:35だった。コーヒー豆が切れたので,帰りの水筒の中身は,木曽で買った「えんめい茶」というものである。よくある野草系の葉っぱを煮出した液体だけれども,さっぱりしていて飲みやすい。まずくはない。上述のとおり,ミキ珈琲の営業時間は終わってしまったが,Wikiで教えて貰った店に寄って帰ることにした。運がよければ,まだ開いているかもしれないと思って自転車を漕いだのだが,結局県庁の前にあったその店(珈琲問屋)の営業時間は9:00〜19:00で,やはり閉まった後であった。まあ,良さそうな感じだったし,開店がミキ珈琲よりも1時間早いので,明日の往路で少し買ってみることにしよう。そうすると家を出るのが1時間遅くていいから,持ち帰った事務書類の記入ができるし。
- 新幹線は昨日と同じく531号。予想通り,東大サーバからの転送を止めたら,PHSへのジャンクメールは10分の1くらいになった。うーむ,あのアカウントは削除してもらおうか。軽井沢からは眠って帰ろうと思う。
- 眠って疲れがかなり軽減されたわけだが,長野は大雨だった。仕方ないので長野電鉄に乗ることにしたが,これが発車したばかりで,次まで25分待ちなのである。ちょうど駅前の平安堂という大きな本屋がまだ開いていたので入ってみると,三中さんの日録で見て以来,読みたくて仕方なかった(けれども通勤経路にある小さな本屋や群大医学部生協の本屋には置いてなくて買えなかった)「カエルを釣る、カエルを食べる:両生類の雑学ノート」(平凡社新書)があるではないか。これを運命の出会いと言わずして何と言おう(という感じにこじつけては本を買うから山のようになっているんだよな)。長野電鉄の中でさっそく読み始めたが,語り口に味があっていい感じだ。
- 帰ってから眠る前にサーバにログインしてCVSupの設定を試みるがうまくいかない。そもそもportsのmakeをしようとするとtarボールをダウンロードできずにこけるから,もしかすると,これもproxyの問題かもしれない。明日調べよう。
▼前【9】(開梱完了(2004年4月6日)
) ▲次【11】(打ち合わせ(2004年4月8日)
) ●Top
△Read/Write COMMENTS
Notice to cite or link here | [TOP PAGE]