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個別メモ
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【第1965回】 打ち上げ(2011年8月22日)
- 雨模様だったので心配だったが,家を出た時には止んでいて助かった。ゴミ出しをしてから自転車で長野駅へ。娘の中学の剣道部は男子の1人が個人戦で全中に出るので,その応援に行く人たちが今日の朝のしなの号で関西方面に出発するとのことで,改札前で待ち合わせて娘が書いた応援メッセージを届けた。長野県は既に中学は2学期が始まっているので,全中は出場者を含め必要最小限しか行けないのだそうだ。どう考えても2学期が始まるのが他県に比べて早すぎるとは思うが,長野県の伝統なので仕方ない。
- 今日は午前中に採血ボランティアがあり,昼に教室ミーティング,夕方にはR実践活用勉強会を再開し,18:30からは2年生の論文チュートリアルの打ち上げがある。木曜夜の伊香保の研究会から,土曜の高校の学級懇親会,今日の打ち上げと1日おきに宴会があって,普段まったく酒を飲まない自分にとっては肝臓への負担が大きくなている気がするので,今日はノンアルコールにしたい。
- 昨日の朝"Nelder-Mead"でmaxiterを10000にした結果は11セット中10セット収束していたことを確認したが,あまり良い収束に思えなかったので"SANN"でmaxiterを20000にして再度計算させてみた。しかしほぼ丸一日かかっても終わっていなかったので,自宅のデスクトップはディスプレイだけ消して,計算させたまま出勤してきた。ふとjit+Raで本当に速くなっているのか確認したくなり,効果を調べるためのコードを書いてみた。jit-check.Rを素のR-2.13.1で実行した結果がjit-check-with-R.outで,R-2.13.1+Ra-1.3.0で実行した結果がjit-check-with-Ra.outである。素のRではjit(1)とかjit(2)にすると若干遅くなるが,Raでは,確かに20倍くらいに高速化されている。普通の一重ループではjit(1)の方がjit(2)より速いようだ。しかし,バイナリコンパイルしてしまうと,Raの場合,jit(0)の時に高速化されるのはいいのだが,jit(1)やjit(2)では逆にかなり遅くなってしまうことがわかった。結果は全部正しく出ているけれども,このテストは先にやっておくべきだった。昨日投入したjobではjit(1)を含む関数をバイナリコンパイルして実行させていたので,逆に実行速度を落としてしまっていた(たぶん)。なお,もちろん,素のRの場合は,バイナリコンパイルした方が,しないよりずっと速くなっている。
- 大阪府の新築住宅への太陽光発電義務付け案だが,/.Jの当該スレッドでの,このACさんの意見は卓見だと思う。新築住宅だけじゃなく,駐車場にまで広げられれば,かなり設置可能面積は増すだろう。もっとも,太陽光発電にはまだ技術的改良の余地があると思うので,12年前に青空MLで出た裸地税のアイディアと組み合わせて,発電パネルの開発や保守管理の財源を確保しつつ展開するとか工夫しないと,府の財政的な制約のために,設置権は確保しても実際のパネル設置が進まなくなってしまうような気もするが。
- 今日届いた週刊医学界新聞の記事には面白いものが多かった。とくに連載アメリカ医療の光と影で紹介されていた,オレゴン州で行われた,医療保険の効果についてのRCT(アウトカムは今までのところ主観的健康度だが)の話は興味深い。通常なら倫理的に不可能な研究だが,社会情勢が偶然可能にしたわけだ。もちろん加入群に割り振られたかどうかは本人にわかってしまうのでblind testにはならないが,ランダム割り付けされるだけでも,選択バイアスの可能性を排除できるので,従来に比べるとかなり高いレベルのエビデンスが得られたと考えられる。
- 同じく今日届いた,Friedlaender JS [Ed.] (2007) Genes, Language, and Culture History in the Southwest Pacific. Oxford Univ. Press, ISBN 978-0-19-530030-7(Amazon | bk1 | e-hon)は素晴らしい本だと思う。Harvard Solomon Islands ProjectのリーダーだったFriedlaenderが編集しているのだが,パプアニューギニア東部の島々とソロモン諸島の人々について,考古学,集団遺伝学から言語,文化的な側面も含め,この地域への移住と適応の歴史を包括的に論じている。オセアニア学会にも来たことがあるKoji Lumさんも寄稿していた。大型本で,写真や図版がふんだんに使われているのに約7,000円は安い。
- 昼食時に,古賀茂明『官僚の責任』PHP新書,ISBN 978-4-569-79805-9(Amazon | bk1 | e-hon)を読了。この人が私心なく命を掛けて行政改革に挑んできたことはわかるけれども,ちょっと内幕暴露本傾向が強すぎか。霞が関の官僚の論理や行政関係の文書の読み解き方は興味深いが,疑問を感じた点もいくつかあった。例えば,著者のいう官僚登用法はシンガポールのシステムに近いものだと思うが,その点への言及はなかった。弱い企業を助けるのではなく強い企業を支援して新陳代謝を高めた方が生産性が上がるという議論(p.188とか)もどうかと思う。いまの日本はたんに人口が減少しているのではなく,多くの欲求が満たされてしまって消費が頭打ちになったために,宣伝によって欲望を作りだし,要らないものを売りつけている状態なのだとぼくは思っていて,もしそれが正しければ,生産性向上を目標にしても無意味ではないか。p.191あたりで書かれている,世界一の製品は世界一高くても売れるという事実の方が大事で,それは単なる生産性向上とは,ある意味で対極にあるものではないかと思う。
- 打ち上げは,急用のための欠席者が1人いたが,21:30頃まで盛り上がった。少々食べすぎた。その後も2次会があったが駐輪場が閉まってしまうので先に帰った。
- 帰宅後,デスクトップマシンを見ると,さすがに計算は終わっていたがSANNでは最適値が得られなかったようで,すべての計算についてパラメータが初期値のままだった。integerの計算でオーバーフローになってしまう部分を改善するためnumericに変え,関数本体もコンパイルしないようにしてjobを再投入してから眠った。
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