枕草子 (My Favorite Things)

【第26回】 アールグレイの謎(1998年5月3日)

アールグレイという着香茶がある。ベルガモットオイルの香りがついた紅茶というのが基本形で,各社からいろいろな茶葉,いろいろな製法で出ているが,起源は不明である。Chapman and Hallから1992年に出ている,"Tea: Cultivation to Consumption"という分厚い本にも,「起源に関してはさまざまな伝説が入り乱れていてよくわかっていないが,2nd Earl Greyが1830年に中国でレシピをもらい,彼の要求で,Robert Jackson of Piccadillyが似た味のものを作ったことを示唆する証拠がある」なんてことが書いてあるのだが,UKのDurham大学のEarl Grey Papers Collectionを見てもアールグレイ2世が当時中国に行っていたなんてことは書かれていない(1830年から1834年まで財務卿かつ首相だったので,中国に行っている暇なんかなさそうである)。この本は科学的な記載に関しては非常にしっかりした引用がされていて信用できるのだが,この本にしてEarl Greyに関してはこの程度なのである。Durham大の情報によれば,継承前の3世は,当時28歳で植民地局と戦争局(原文はcolonial officeとwar office)にいたので,彼が行っていた可能性なら大いにありそうだが,真相は不明である。紅茶屋の情報などに至っては諸説紛々,何が正しいのかまるでわからない。英国のちゃんとした紅茶史研究者っていないのだろうか?

閑話休題。最近,こういう話をまとめたページを作りたいのだが,大学のサイトでは趣味のページをあまり前面に押し出すわけにもいかないので,プロバイダを探しているところである。インターネットは基本的には大学から使うので,あまり利用頻度は高くない。現在のところ,昨年アメリカに行ったときにmsnと契約してしまったので,そのままドル建てで基本料金が引き落とされ続けているのだが,円安は進む一方だし,POPも対応していないし,ホームページも持てないので,もうやめて,別のプロバイダと契約しようと思うわけだ。ぼくの場合,少々特殊な条件だと思うが,(1)利用時間は月にして1時間くらいと思われる(従量制のほうがよい),(2)妻の実家に行ったときに使う可能性があるので阿蘇からのアクセスが安い方がいい(阿蘇にアクセスポイントがあるプロバイダなどないので,日本テレコムかDDIと全国一律1分10円サービス契約を結んでいればよい),(3)できればtelnetが使えて.forwardを置けるか,外部POP利用を許可していること,(4)趣味の話専用のホームページを持ちたい,というのが希望なので,候補はPeopleの完全従量コース(ピープル・プラスでメールのPOP利用とホームページ登録をして800円/月+接続料金)とか,BIGLOBEのわいわいコース(ここも完全従量制,ホームページは500円/月,メール転送は500円/月だが,外部POPが可能かどうかは不明)とかTokyoNetの個人向け従量制ダイアルアップIP(500円/月:ただし詳細は問い合わせ中)とかInfoSphere LiteのAコース(700円/月,ホームページを作るには1000円/月追加)くらいのようだ。インターリンク(11000円/年)やアルファネット(9800円/年)のような低価格定額制プロバイダもいいのだが,アクセスポイントが少なく,不安定(インターリンクのホームページを大学からNC4.05で見ると「Netscape」ダイアログがでて,「このプログラムは不正な処理を行ったので強制終了されます」となってしまう)な印象を受けるので二の足を踏んでしまう。毎月2000円使ってもいいという気になればso-netとかiij4uとかrimnetなどいいプロバイダが使えるのだが,できれば1000円以内で抑えたい(まあ日経mixがあったころは大体毎月5000円くらい使っていたのだが)というのは吝嗇なのだろうか? うーん,情報待ちだな。良い情報があったらください(2000年3月24日注記:現在のところ1年ほどKDDのNewebに落ち着いている)。


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