枕草子 (My Favorite Things)

【第43回】 参院選(1998年7月8日)

今度の日曜日は参議院議員選挙である。ぼくは以前書いたように,いわゆる「景気回復」なんて幻想だと思っているので,選挙のお題目で,景気対策して,税金を減らして,かつ福祉もやります,環境保全もやります,アメニティ空間も作ります,生活の利便性も向上させます,…なんて嘘っぽいことをいう政治家や政党は大っ嫌いである(もし具体的な予測があってそれが可能であることを示せる人がいたらこの発言は撤回して陳謝します,いないと確信しているけど)。「景気が悪くなるのは仕方ないから我慢して安全で健康で危機に耐性のある暮らしを一緒に築きましょう」なんていう政治家・政党が存在したら文句無く一票入れるのだけれど,なかなかいないものである。まあ世間一般の支持はなかなか得られないと思うので,そんな公約を掲げることは選挙に勝つためには不利な戦略だろうとは思うが,できない公約くらいならはじめから言わないで欲しい。新聞とともに届けられた選挙公報を読んでみたが,東京選挙区のまともそうな候補者の中で「景気回復させます」などという夢物語を公約にしていない人は1人だけ(文章の解釈次第では2人かも)である。比例代表区の方はその1人が属している政党も景気対策しますって言っているから困ってしまうのだが,まあ,こういうときは比較的ましな(嘘の少ない)公約を掲げているところを選ぶのだろうな。

果たして投票率はあがるだろうか? あがって欲しいものである。いろいろなWEBページで「投票に行こう」というキャンペーンがはられているが,中でも,藤原博文の館の「あきれたページ」の「おすすめページ」に昨日登録された「ビル・トッテンからのレターOurWorld」はすばらしい。さすがに昔ほれこんだアシストカルク(まあbuggyだという欠点はあったけど)の会社の社長だけあって,参院選についても見識ある発言をしている。いわゆる「景気対策」の空疎さについて,企業人がここまで言ってくれるとは驚きであった。


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