枕草子 (My Favorite Things)

【第112回】 御用納め(1998年12月28日)

今日で官公庁は御用納めである,という。まあ,公式には年内は今日までで仕事は終わりだ。前にも書いたように年明け早々に英語での発表を抱えている身としては,明日以降も準備をしたいところなのだが,子どもの保育園も今日までなので,明日からは早朝しか大学に来られないと予想される。つらいところである。まあ,子どもと遊ぶのも楽しいのだが,発表準備がいい加減だと,自分ばかりでなくその場の全員が不幸になるので,最低限「自分が何を喋りたいかわかっている」発表をする責任はあると思うわけだ。そのラインまでまだ道のりの半分くらいという自覚があるので,早朝来ようと思っているのだ。

御用納めに先立って,医学図書館は先週末から休みに入っているし,生協の文具やコンピュータの売場も今日は既に閉まっていた。この一事だけをとっても,米国の大学(例えば,Pennsylvania State University)に比べると,研究環境としては劣っているといわざるを得ない。少なくとも図書館環境の彼我の差が決定的に大きいのは,誰もが認めるものと思う。このことは,日本の研究者にとって大きなハンディキャップとなってきた。

今年はネットワークが格段に便利になったので,環境の差が縮まってきたと思う。ぼくとしては,これは10大ニュースのトップにしたいくらいの大改善である(手元のコンピュータがインターネット直結になったこともあるが)。とくに,Journal of Clinical InvestigationJournal of Biological Chemistryなど,全文をpdfファイルでタイムラグなしに公開している雑誌は素晴らしい。British Medical Journalなど,今年いっぱいフリートライアル中の雑誌もいくつかあるが,図書館はできるだけオンライン契約をして欲しい。とくに切望しているのは,前にも書いたようにProNASなのだが,何とかならないものだろうか。

余談だが,BMJの最新号には「キャンディを舐めると長生きする」という論文が載っていた。どうしてそんなところに目をつけたのか,その発想に驚いたが,分析手法自体は疫学でよく使われるもののようだ。読んだらここで紹介するかもしれない。


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