枕草子 (My Favorite Things)

【第118回】 サーカス(1999年1月18日)

さっきライブコーヒーに寄ってみたら,ちょうどグアテマラとマンデリンのハイローストを今日焙く予定ということだったので,明日また買いに行くことにして,タンザニアを100 g挽いてもらってきたが,なかなか美味である。よしよし。

昨日まで二日間はセンター試験だったわけだが,今年は運良く監督を免れた。受験生には申し訳ないような気もするが,監督する側にとってみれば,センター試験の監督は退屈きわまりないのである。その上,全国一律の公平さを期すためにかなり細かいところまでやることが決められているから,面倒なのである。監督がなくても入構に際して身分証明書の提示が必要で面倒になるし,個人的には早いところ廃止されればよいと思っている。まあ,ある意味で全国一律の尺度が得られるのは間違いないから,便利なのはわかるけれど,壮大な無駄のような気がしてならない。少なくとも研究の能力(学問に関する能力といってもいい)とはあんまり関係ない尺度である。大学教育に何を求めるかという問題とも関係するが,センター試験の問題のようなのは,専門教育を受けるのに要求される能力ともあんまり関係ないような気がする。しかも東京大学の現状では,高校で生物学を選択しないままでも医学部に進学できたりするのだから,なおさら意味がないように思う。誰が決めているのか知らないが,改善を望みたいと常々思っている。

さて本題である。昨日は東京ドームの傍で行われているボリショイサーカスに行って来た。一日3回公演の第1回が10:30からなので10:10頃に着いたのだが,すでに立ち見も含めて自由席は満席であり,第2回公演を待つことにした。13:00からの第2回公演に並ぶ列はまだ短かったので,わずかに残ったA指定の後ろの方の席に一人あたま1,500円も払うよりは,2時間以上並ぶにしても自由席の前の方が良かろうと判断したためである。ちなみに上のURLから割引券のページに行って打ち出したものを持っていけば入場券の割引があるが,うちでは年末の東都生協かコープとうきょうのどちらかに出ていたドームがらみのたくさんのイベントのセット券を買ったので,さらに安かった。サーカスとゆうえんちの入場だけで3,000円(3歳以上小学生以下2,000円)の正規料金だとちょっと高いような気がするが,セット券なら,他の施設に比べ,休日の子守りにはかなりお得である。

並んでいる人の列は11:00過ぎには数百人に達していたように思う。すぐ近くに「ケンタッキーフライドチキン」があり,道路を渡るとすぐに「京たこ」と「ミスタードーナツ」と「SUBWAY」があるので,複数人で来ていれば昼飯を買うには不自由しないが,余裕があれば1分飯田橋方面に歩けば「モスバーガー」があるのでそっちを薦めたい。ぼくは娘を抱いて買い物に出たのでSUBWAYで妥協したが,ここのSUBWAYにはPenn. State滞在中よく食べた"6 inch meat-ball"がなかったので,ややがっかりした。日本のSUBWAYにはミートボールはないのだろうか?

12:30に開場となり,自由席の方も2列で入場した。かなり前の方の席に座れたので,並ぶという判断は正解だったと思う。たぶん,自由席でも数百人は座れたのではなかろうか。開演まで30分の間,ケンタッキーとミスドの売り子に混じって,サーカス団員自身が会場を回ってプログラムを売っていたが,1,000円と高いせいか,あまり売れていないようだった。象または馬と1,000円で記念写真を撮ってもらえるという企画もあり,そこそこ客がいたようだ。

さて開演となった。はじめは熊だったか。なんだか人間でも入っていそうな巧みな動きだったし,よくぞ熊をここまで仕込んだものだと感心したが,熊ならではの凄さというのは感じられなかった。この後もずっとそうだったが,ぼくはどうも動物の芸には感心しにくいらしい。サル回しのようなのは,どこがいいのかさっぱりわからなかった。馬のサーカスはすごかったが,あれは騎手の動きが大変なのである。騎手もそうだが,鍛え抜かれたヒトの動きには感動した。空中ブランコは時間は短かったが高度だったし,空中フラフープというのも実に絶妙な体の動きで,しかも4つの輪が追いかけっこをするように回るのが美しかった。唯一,動物の動きに迫力を感じたのは,右の牙の折れた象である。なぜか象の回りを古代エジプト風の装束に身をつつんだ女性たちが踊ったりする象のショーのオープニングなのだが(象とエジプトって何か関係があっただろうか?),中盤で登場する右の牙の折れた象の動きは必見である。象使いの中ではジャニーズ系アイドルにいそうな感じの甘いマスクの若い男性の動きに目を引かれた。とくに象への乗り方は要注目といえる。

そんなわけで十分面白かったサーカスなのだが,子どもたちが途中で眠ってしまったのは失敗であった。起きている間は面白がっていたのだが,疲れてしまったらしい。ちょうど昼寝の時間だったこともあろうが,寒風吹きすさぶ中を2時間も並ぶのはつらかったのであろう。しかし,あんな大音量の中をよく眠れるものである。


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