枕草子 (My Favorite Things)

【第123回】 VAIOとデスクトップのデータ交換法(1999年2月11日)

VAIOノートのPCG-505RXを買ってしまったことは既に書いたが,その後結局CDROMドライブも買ってしまったのだ。何を買ったかというと,九州松下が出しているKXL-820AN-Sという代物である。本当は型落ちして安くなっているであろうKXL-810AN(違いはカードがCard BUS対応ではないこと)が欲しかったのだが,秋葉原をしつこく歩き回ったにもかかわらずどこにも見つからなかったので諦めた。まあ銀パソに似合うカラーリングの"-S"もあったことだし,良しとしよう。ニッシンパルで31200円だったが,最高20倍速で,Card BUS対応のSCSI接続という高速転送能力によって快適なアプリのインストールができるだけでなく,16ビットモードならば電池でも動くし本体から給電もできるという点で,十分満足している。しかも,単体でポータブルCDプレーヤーとしても使えるのだ。競合商品として,SONY純正のPCGA-CD5も考えたのだが,売値は約3万であまり差がなく,遅いということに加えて,電源がACのみで単体利用ができないという問題があり,購入にいたらなかった。PCGA-CD5を使えばCDROMから起動できるのでリカバリが簡単というのは大きな利点ではあるが,KXL-820ANでもドライバを入れたフロッピーで起動すれば再インストールはできるので,決定的ではなかったのだ。そのほか,パイオニアの24倍速とかI.O.DATAのも値段は魅力だったのだが,いずれも機能的に不足であった。まあ,I.O.DATAのは,KXL-810ANとの機能差はカードから給電できないことくらいで,問題ないような気もするのだが,デザインが銀パソには合わないので却下となった。

結果として,VAIOへのアプリのインストールは無事に終わったのである。さて,次はデータの交換法を考えねばならない。実は,当初はフラッシュメモリを使う予定であった。コンパクトフラッシュなら30 MBで2万円くらいなので,ZCOPY(Win32版が公開されたばかりで,マルチライトオープン機能がなくなったのは残念だが,ftpやWindowsネットワークドライブまでサポートしているので便利)を使って更新したファイルだけを転送すれば良いのだ,と。そのためにオリンパスのCMO100Fをデスクトップに組み込んだのだ。MOは640 MBオーバーライト対応のまで使えて,シミュレーション結果の保存がだいぶ楽になった。

しかし,しかしである。CMO100Fについていたのは,スマートメディアとコンパクトフラッシュの「リーダ」なのだった。書き込めないのである。実は内部に予約されたディップスイッチがあって,それをいじくったら書き込み禁止を解除できるかも? という悪魔の囁きはあるのだが,物理的に壊れたら困るのでそれは試せない。フロッピーでやりとりするのは鬱陶しいし,VAIOにいちいち外付けMOをつなぐというのも面倒だ。CD-Rを焼くという手もあるが,あんな時間のかかることを毎日やるわけにはいかない。そこで,もっと手軽にやる方法を探ってみた。

まず思いついたのが,赤外線通信である。デスクトップにつけるためのIrDAアダプタは新潟キャノテックのIrHawk AirPCなどいくつか出ているが,悲しいかな,通信速度が115.2 kbpsなのである。これらはシリアル接続なので,COM2を使っても通常それが上限となるのは仕方ないのだ。故に却下。なぜUSB接続の赤外線通信アダプタが出ないのか不思議だが,見つからないので断念した(後になってNECが出していることがわかったが)。次に思いついたのはシャープから出ているIrDA1.2対応の送受信ユニットを買ってきて,回路を設計してマザーボードにつなげばいいじゃん,ということなのだが,これは技術力の不足から断念した。PCIバスに差すカードでも出せば売れると思うのだが。

次善の策として考えたのが,データディレクトリをそっくりサーバにミラーしておいて,VAIOにLANカードをさしてデスクトップと同じIPを書き込んでおいて,10BaseTケーブルをつなぎかえてミラーリングダウンロードするという方法である。やってみたらさすがに高速で,何の問題も起こらなかった。しかし,VAIOを使っている間はデスクトップを使えなくなるのが困るところだ。もちろんVAIO用にIPを申請するという手もなくはないが,これはどう考えてもIPの無駄遣いである。内外から非難が集まることが予想されるので,さすがにそんな暴挙はできない。サーバにLANカードを2枚差してIPマスカレードみたいなことをさせればLocal IPでいいのだが,サーバへの負荷がかかるのが気がかりである。何せPentium 166 MHz MMXのサーバであるから,できればサーバを介さずに,デスクトップとVAIOを直結できることが望ましい。

要するに,直結できればいいのだ。インターリンクというのも一瞬考えたが,VAIOにはパラレルポートがないので,ポートリプリケータが必要になり,駄目である。そこで思いついたのがUSBである。VAIOにはIEEE1394とUSBだけは標準でついているし,デスクトップにもUSBポートはあるのだから。探したところ,NECがぴったりの商品をだしていたので,さっそく注文してみた。店の人も存在を知らなかったが,これがうまく使えれば,ノートパソコンとデスクトップパソコンをつなぐ切り札となることであろう。うまくいったらまたレポートするので,気長に待たれたい。来週は卒論審査会があるので,その査読で忙しく,おそらくUSBリンクを試すのは再来週くらいになるかと思うが。


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