枕草子 (My Favorite Things)

【第659回】 黒姫のコスモス(2001年9月23日)

朝,娘の同級生の家からハムスターの子どもを貰った。以前からケージを用意していて,あとはハムスターを入れるだけになっていたのだが,入ってみるとその動きの面白さ,キーキーという鳴き声(?)などに目を惹かれる。これまで子どもたちの関心の王座を争っていた,金魚・ドジョウ・タモロコ・ザリガニの水槽組も,カブトムシ・クワガタムシという昆虫たちも,一気にごぼう抜きされて脇役に転じた感がある。

cosmos flower

その後,昨日以上に天気が良かったので,黒姫高原のコスモスを見に行こうということになり,北長野駅まで歩いて信越本線に乗った。他にも黒姫を目指す人が多いようで,いつもはガラガラのこの電車にしては相当に混んでいた。北長野から黒姫まで400円だったが,距離から考えるとかなり割安だと思う。いつもこれくらいの乗車率がないと赤字になってしまうのではないかと,他人事ながら心配してしまう。

黒姫駅に着くと,ちょうど良いタイミングで(たぶん,信越本線からの接続を考えたダイヤになっているのだろう)黒姫高原行きのバスに乗り継ぐことができた。黒姫駅から黒姫高原まで200円は安いと思った。しかし,電車に乗っていた人の全員がバスに乗ったのでもないらしく,意外に空いていた。大人の足なら歩けないこともないので,歩く人が多かったのだろうか。

黒姫高原のバス停を降りると,すぐ目の前がコスモス園なのだが,入園料が大人300円,子ども100円なのに不満を表明している人が多かった。ただ咲いているのに,という気持ちなのだろうが,100万本のコスモスがうまく咲くように手入れしたり,不心得モノが荒らしたりしないように管理するのは,結構な手間がかかるものと思われたので,これくらいの入園料を取られるのは仕方ないだろう。冬場はスキー用になるリフトがあって,片道400円(往復700円)なのだが,これに乗って上からコスモス園とその上の方のススキで埋め尽くされた景色,遠方に見える野尻湖,といった風景を眺めるのも良いものである。

リフトを降りたところには望湖台という展望台があって,野尻湖が見渡せるのだが,ここで記念写真を撮ってから急な坂道を歩いて降りることにした。子どもたちは身軽に駆け下りていくのだが,ぼくは荷物ももっているし,踏ん張りながら降りるのでふくらはぎの辺りが張ってしまった。ススキやコスモスの中を歩くのは全身で秋を感じて風情があるのだが,子どもたちはそんなことよりもバッタやらコオロギやらを捕まえるのに忙しかったようだ。後で,何が楽しかったか聞いてみたら,コスモス園の入り口あたりで買ったソフトクリームがおいしかったのと,トノサマバッタを捕まえたことだという。ソフトクリームは確かにおいしくて,ここの名物ということになっているので,それはそれでいいのだが。



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