Top
個別メモ
Latest update on 2012年3月5日 (月) at 10:54:46.
【第753回】 また締め切り近い(2007年3月7日)
- 6:05起床。息子を起こして食事。娘は熟睡していて起きてこないので,朝練無し。こちらとしては助かるといえば助かるんだが,気合いが足りないぞ>娘。春眠暁をおぼえず?
- 往路あさま510号では高崎まで眠ってしまった。自分も気合いが足りない。オセアニア学会の要旨の締め切りが10日なので何とかしないと。
- 川端君から新作『桜川ピクニック』文藝春秋,ISBN 978-4-16-325700-6(Amazon | bk1 | e-hon)が送られてきた。いつもご恵贈多謝。書店の店頭に並ぶのは14日前後とのこと。それにしてもコードネームLの完成が待ち遠しい。
- 信毎が県議選候補にやったアンケート結果によると,長野市区は定数10なんだけれども,浅川の穴あきダムを「評価しない」候補が4人しかいないのに愕然とした。投票方法は公職選挙法に基づいて相変わらず1人1票らしいので,シミュレーションによると支持率を正しく反映しない可能性があるのだけれども,逆に言えばこの4人が揃って上位当選してくれると,ダム反対の民意が相当強いといえるかもしれない。それにしても,議員定数58のうち長野市区の定数10というのは,県の総人口約220万人のうち約38万人が長野市という人口比とはほぼ一致していて妥当なのかもしれないが(長野市は人口構造が若そうだから有権者数で考えると若干過剰か),1人区がある一方で定数10の選挙区があるというシステムはなんだかおかしい気がする。犀川を挟んで南北2区に分けるのは無理か? 市町村合併を進めてあまりに広域になってしまったのに市より小さい単位には分割しないという原則に拘るのは,地域性を代表しない制度になってしまっている可能性がある。そういう議論はなかったのだろうか。
- 中日新聞の長野県広域に載っている記事は,信毎にも長野県庁のサイトにもまだ出ていないようだ。中日新聞Good Job!
- /.Jでoddmakeさんの日記エントリの目を引くタイトルで気づいたのだが,New Scientistの記事によると,マウスの実験だが,脳内にSOCS-3という化合物が蓄積してレプチンレセプターの感受性が低くなった状態は,SOCS-3レベルを下げると回復可能とのこと。ヒトの肥満の多くはレプチンレセプターの感受性が低くなって,レプチンは正常に作られるのに食欲が落ちないために起こると言われてきたので(蒲原聖可『肥満遺伝子』の書評参照),脳内のSOCS-3レベルを下げる分子標的薬(もちろん副作用など慎重に検討しなくてはならないが)の開発が有望というのはよくわかる。やはりこの辺りの話,面白いなあ。
- 気がつくと21:00なのだが,オセアニア学会準備が今日もほとんど進まなかった。
- 復路あさま551+553号。松岡圭祐『千里眼の水晶体』角川文庫を読了。スピード感とか物語性,強力な敵キャラを作り出す手腕は見事。けれども,著者が「科学的視点が求められる設定については極力リアルに描こう」と言っているので指摘させてもらうと(まあ,臨床心理学のことだけ指しているのだろうが),この話のコアになるバイオテロがリアリティゼロだった。もう少し感染症について調べて書いて欲しい(そういう意味では篠田節子『夏の災厄』は凄かった。いままでの感染症テーマの小説の中では,文句なしに最高傑作といえる。川端君が数年にわたって取り組んでいるコードネームLは,『夏の災厄』を超えられるだろうか? もっともポイントが違うんで,超えるとか超えないとかいった評価はできないかもしれないが)。ともかく,マラリア原虫に近い病原体が空気感染することはありえないし,マラリアなら熱帯熱でも致命率は25%くらいだし(この本で出てくる病原体は致命率100%),ワクチンなんかないし(抗マラリア薬はワクチンとは呼ばないし,治療で点滴することはあるけれども予防的に注射することはまずないし),そもそもバイオテロに使えるような形で常温で長期保管することもできないし,気温が上がると活動し始めるなんてこともありえない。常温で長期保管できるのは,芽胞をつくって休眠する細菌とか,生命活動をしていないプリオンとかだろう。例えば実際にバイオテロに使われた炭疽菌の変異体で多剤耐性かつ急速に髄膜炭疽に移行するやつとかを考えれば,病態としてはまだありえないこともないが,ヒト=ヒト感染も空気感染もしないので本書の設定で使うのは難しいだろう。もっとも,炭疽菌の変異体なら,たぶんワクチンは作れるし(もっとも,日本には炭疽菌ワクチンは常備されていないらしい),敵キャラが効果的な撒き方を考えたことにすれば別だが。もう1点,科学的にまずありえないのは岬美由紀の身長と体重である。野尻抱介のロケットガールシリーズも引っかかった,必然性のない痩せ過ぎ設定になっていて,特異体質でもなければ165 cmで39 kgでは栄養失調に違いない。BMIが14.3しかない。こういう人気シリーズで,これを「抜群のプロポーション」なんて書くと,最近の日本の若い女性が食糧事情が悪いわけでもないのに各国と比較して突出して痩せ過ぎている傾向(web上にとても見やすい図があった)が助長されてしまうんではないか。イメージキャラの釈由美子に合わせたのかもしれないが,この設定だけは変えて欲しい。
▼前【752】(事態を打開したい(2007年3月6日)
) ▲次【754】(いろいろ(2007年3月8日)
) ●Top
△Read/Write COMMENTS
Notice to cite or link here | [TOP PAGE]